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沖縄県人会=さんしんの日に約4百人=運営主体にうりずん会も

ニッケイ新聞 2012年3月10日付け

 沖縄県で毎年3月4日に開催されるさんしんの日にあわせ、ブラジル沖縄県人会館大ホールで4日、『ゆかる日・まさる日 第7回さんしんの日』が開催された。
 約4百人が会場に詰め掛け、伝統の音色を聞きながら故郷に思いを馳せた。今回からは、留学生・技術研修生らOBでつくる「うりずん会」が共催団体として実行委員会に参入、司会や舞台進行など主要な役割を担い、若者の息吹がイベントに更なる活気を添えていた。
 野村流音楽協会ブラジル支部、琉球民謡協会ブラジル支部等5主催団体に加え、多数団体が協賛・後援した。
 与那嶺真次県人会長は「今では14〜5歳の子供たちも三線を始めている。若者の参加で更に我々の共同体を強め、世界を三線で繋ぐことができるようになれば」と更なる発展に期待を寄せた。
 三線の製造・修繕を手がける金城勝昭さんから三線1丁が寄付され、会場から拍手を浴びた。
 主催団体が中心となり、祝賀行事に演奏される楽曲「かぎやで風節」の斉唱で開幕、琴と三線で「ごえん節」「揚作田節」など全5曲の荘厳な演奏と唄が会場を包んだ。
 玉城流小太郎会千舞知花千恵子琉舞道場は高平良万才を披露、参加者は踊り手の洗練された舞に見入っていた。
 琉球民謡協会ブラジル支部の若いメンバーが艶やかな黄色のハッピを着て登場すると雰囲気は一転、「与勝海上めぐり」など5曲を軽やかなリズムで歌い上げた。
 舞踊、民謡、太鼓、斉唱など全19演目が繰り広げられ、観客らは流派、年齢を超えて演目を楽しみ、最後はカチャーシーでフィナーレを飾った。
 孫や子供の晴れ舞台を見に訪れた参加者も多く、今回初来場という島袋由季子さん(56、二世)=サンパウロ市=は、「娘に連れられて来たけど、見ている内に私も気に入ってしまった」と笑顔。
 知念直義実行委員長は、うりずん会の協力を喜び「彼らが承諾すれば次からは全て任せたい。新しい発想をどんどん取り入れてもらえれば」と運営主体を若い世代へのバトンタッチする考えを示した。

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