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サンパウロ市議会=中谷アンセルモ氏に名誉市民章=約250人が祝福に

ニッケイ新聞 2012年3月15日付け

 サンパウロ市議会は8日夜、日伯文化連盟(アリアンサ)の理事長の中谷アンセルモ氏(70、二世)に名誉市民章を贈った。野村アウレリオ市議の推薦。
 授与式には同氏の家族や友人、大部一秋在聖総領事夫妻や元アリアンサ理事長の辰巳ジョー判事ら著名人約250人が受章を祝った。
 1941年サンパウロ州ベラ・クルス生まれ。両親は広島出身。9歳のとき一家でパラナ州イタポランガ付近に移り、14歳で出聖した。
 日本人のパトロンのもとで日中働きながら、夜は州立の中学・高校で勉強、サンパウロ大学で機械工学を学んだ。
 卒業後は数学、物理の講師や企業勤めを経て、77年ブラジル古河電工に副社長として入社。86〜96年に同社社長、96〜00年に会長に就任。退職後もブロードバンド・インターネットサービスの新会社を設立し、現在は2人の息子が経営を担う。
 その他、サンパウロ州工業連盟で国際関係部門の理事を30年以上務めるなど多方面で活躍し、日系社会ではサンベルナルド・ド・カンポの日系団体会長としても活動した。
 中谷氏は本紙の取材に対し「とても嬉しい。自分にとって意義深い。家が裕福でなかったので勉強するしかなかった。57年間住んでいるサンパウロ市が自分にチャンスを与えてくれた」と流暢な日本語で語った。
 妻のルイーザさん(69、二世)は「何に対しても一生懸命。自分にも家族にも厳しい人。胸がいっぱいです」と笑みをこぼした。

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