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第56回パウリスタ スポーツ賞=16部門から17名を選出

ニッケイ新聞 2012年3月31日付け

 本社主催、第 回パウリスタ・スポーツ賞贈呈式が4月3日午後7時(火曜日)より、サンパウロ市議会にて行われる。
 今年は 部門から 名が各協会、クラブの推薦により選出された。
 又特別賞として、健康表現体操から川添敏江さん、ソフトボールからヤジマ・ネルソン・ヒデオさん、大相撲で活躍し、ブラジルから初の幕内力士となった魁聖関も選ばれた。
 今回受賞される方々の、略歴を紹介する。(順不同)

特別賞 川添 敏江 さん 【健康表現体操】
1950年生れ。静岡県静岡市出身。76年にブラジル移住。
84年から9年間リベイロン・ピーレス日伯文化協会の子弟へ陸上指導を続け、91年から10年間、日本語教師をつとめる。
00年にはリベイロン・ピーレス市議会より、名誉市民表彰。
05年、ブラジル初の健康体操セミナーを、浜松市の全日本健康音楽研究会より斉藤会長、豊田理事長、松本指導部長を迎えて開催。翌年ブラジル健康表現体操協会創立、会長就任。ブラジルの中、高齢者の健康増進と予防医学、そして唱歌を通じて児童への日本文化伝承をめざす。08年、第1回ブラジル健康表現体操フェスティバル開催。サンパウロを中心に活動しており、教室数40、生徒数約800名。
特別賞 ヤジマ ネルソン ヒデオ さん 【ソフトボール】
1947年生れ。サンパウロ州サンパウロ市出身。
シダ野球/ソフトボールクラブにて競技を始める。94年に会長となる。ブラジルへソフトボールを始めた先駆者。
審判員の育成につとめ、審判部をブラジル野球、ソフトボール連盟の中に設けた。自身もソフトボール国際連盟より、審判員として任命される。
96年には「チエミ・ヤジマ旗」争奪大会を開催し、01年にはブラジル野球連盟より、公式大会として認定された。10年からはペルーチ−ムの参加もあり、大会は益々大きくなっている。
ソフトボールの認知度を高め、競技者の裾野を広げ、クラブ間の交流や友好を高めるものとして、この大会を作った。
特別賞 魁聖一郎(ヒカルド・スガノ)さん 1986年生れ。サンパウロ州サンパウロ出身。大相撲力士。
友綱部屋所属。最高位は東前頭5枚目(11年7月場所)。
02年よりサントアマーロアカデミーにて相撲を始める。
04年には世界アマチュア大会で3位。05年にはブラジル選手権優勝。
06年に友綱部屋に入門。四股名の一郎は父親の名前。
ブラジル出身力士としては4人目となる十両昇進を果たす。
11年、5月技量審査場所で新入幕。ブラジル人初の幕内力士となる。その場所の初日から9連勝。新入幕で9連勝は80年の佐田の海以来31年ぶりの快挙。横綱白鵬の優勝パレードでは旗手、土俵入りでは露払いも務めた。元大関魁皇が引退した後は、部屋頭として友綱部屋を牽引している。
陸上 平栗 マリオ さん パラナ州アサイ市出身。
州立ロンドリーナ総合大学卒業後、果樹栽培に従事する。
初の大会は1966年に第27回アサイ陸上大会に出場。その後ロンドリーナで行われた北部パラナ陸上大会、及びサンパウロで行われた第30回コロニア間陸上大会等に出場。
・アサイ陸上大会、北部パラナ陸上大会には14年連続で出場。
・第49回国際サン・シルベストレ大会に出場。(1973/147位)
・1989年からマスターズ選手権に出場。
・日系移住地対抗マスターズ陸上競技大会に23年連続出場(1989〜2011)98年には800m走(45歳の部)で2分19秒の新大会記録を作る。この記録は未だに破られていない。
陸上の発展の為に尽くされ、多くの団体より表彰される。
パーク・ゴルフ 小森 敏夫 さん 1936年生れ。
富山県出身。
カストロに於いて1500ヘクタールの農場経営。
04年からの4年間ブラジルパークゴルフ協会会長を務め南米交流パークゴルフ大会、ブラジル国内7大会を定着させた。
06年には、日本パークゴルフ国際大会に40名を派遣した。
パーク・ゴルフ 小森 富美子 さん 1936年生れ。
サンパウロ州マリリア出身。
01年よりパークゴルフが始まり、12年間ブラジル、パラグアイ、日本の全ての大会に出場し、常に優勝、あるいは、入賞。
特に日本に於ける国際大会に於いて優勝した事は、日本の人達を大いに驚かせた。
11年度も8大会のうち4回は優勝、2回は準優勝、総合点では、ダントツの1位で優勝した。
剣道 岸川 道子 さん 1938年生れ。佐賀県出身。
1960年渡伯。剣道6段
82年葉隠館(佐賀県人会剣道部)を家族全員で創立、以来30年間、剣道及び居合道の指導を続けている。
42年間の永きに亘り、ブラジル剣道連盟に積極的に協力し、ブラジル剣道及び居合道の普及発展に多大、顕著なる貢献を惜しまず、特にブラジル女子剣道及び居合道の草分け的存在として活躍され、今日のブラジル女子剣道の隆盛を築き上げた功績は多大である。
武道二道を42年間精進し、現在剣道六段(99年)、居合道三段(98年)、杖道三段(99年)など、ブラジル女子最高段位取得者でそのひたむきな努力は、女子剣士の模範である。
マレット・ゴルフ 伊藤 実 さん 1940年生れ サンパウロ州イタペチニンガ市出身
79年、イトグラス社を設立。
イタペチニンガ文化体育協会の会長を務める。
聖南西連合会(現・聖南西文化体育協会)の設立に携わり、会長を務める。
サンパウロ文化福祉協会、国士舘大学センターの第一、第二マレットゴルフ場の造成に尽力する。
全伯マレットゴルフ選手権が開催されるイタペチニンガ市内の「フィッシング・パーク」のマレットゴルフ場の整備もする。
14年のマレットゴルフ歴で、現在ブラジルマレットゴルフ連盟の副会長を務める。競技者として、又役員としてマレット・ゴルフの普及に努めている。
空手 与那嶺 育孝 さん 1941年生れ。沖縄西原出身。
14歳の頃より友達と空手を始める。1961年家族と渡伯。
一日約300の突きの鍛錬を欠かさず行う。67年結婚。5人の子供たちは、皆黒帯で、空手のブラジル代表に選ばれている。
68年より、沖縄県人会ビラ・カロン支部にて空手を教える。
76年、沖縄にて八木明徳師範に指導を受け、6段に昇進。
83年、ザンベゼ街に道場を開き、現在まで続けている。
85年、8段に昇進。97年、57歳で9段に昇進。11年、10段に昇進。海外から日本の国体(87年)に招待された唯一の空手師範である。又、95年には日本選手権、97年には沖縄で開催された世界大会に出場。現在は後進の育成はもとより、審判員の育成も行っている。
相撲 東 誠 さん 1942年生れ。熊本県鮑記郡河内村白浜出身。56年ブラジル丸で渡伯モジアナ線モコカ市ファゼンダ・アスパーゼに入植
59年、サルト市に移転。当地で相撲の指導を受ける。
80年、元ブラガンチーナ相撲連盟、現聖北相撲連盟の創立役員として参加、常任理事として今日に至る。
88年、日本相撲連盟より名誉五段を授賞。
ブラジル相撲連盟審判部長として長年勤め、世界大会にも参加する。
00年ノルテ相撲連盟サルト地区の相撲普及に尽力。40数名の幼少年男女の育成に成功。03年には市役所より提供された公園にノルテ相撲連盟常設土俵を建設。
ブラジル相撲連盟審判部長。同連盟段位審議会委員長。
野球 村松 コウイチ さん 1946年生れ。
57年より、野球を始める。
63年、聖南西チームで少年の部で優勝。
63年、イビウーナチームで少年の部で優勝。
ブラジル代表として、汎米大会に4度出場。
米国大会(幼年の部)、メキシコ大会(少年の部)、成年としてコロンビア、キューバの両大会に出場。
国際大会、世界大会、南米大会などに欠かせない選手となる。
現在、サンパウロ州イビウーナ市長を務める。
合気道 中村 パウロ ナオキ さん 1947年生れ。サンパウロ州リンス出身。
USPの農学科で就学中は、柔道家として各大会に出場。
その後26歳の時、河合師範道場で合気道と出会う。
20年の精進に励み、46歳の時シンワ合気道協会を設立。合気道の創始者、植芝盛平先生の教えを守り、30人以上の黒帯取得者を育成している。06年のパウリスタ合気道連盟の特別イベントでは、創始者植芝盛平先生の孫、植芝守央先生をブラジルに迎え2015人と交流する。
現在は合気道の精神を取り入れ、地球環境を考えたヌトゥリサフラ肥料会社を設立、運営している。
77年、黒帯取得。79年、2段に昇段。89年、3段に昇段。
90年、4段に昇段。96年、5段に昇段。06年、6段に昇段。
ゴルフ 田村 栄 さん 1957年生れ。
パラナ州クリチーバ市近郊の「Las Palmas Golfe Clube」のメンバーとしてゴルフを始める。同クラブのキャプテンを04〜08年まで務め、クラブの発展と会員の増強をはかり、その間9ホールのコースを18ホールに改装して名実共に誇れるゴルフ場を完成させる。
フェデラソンの評議員時代にクリチーバの公立身体障害児童学校責任者と共同で生徒達の運動の為に「ゴルフ7」を行えるよう、ゴルフ友好会の支援で芝生の校庭に7ホールを作り、パター競技を行う。10年度にサンタカタリーナの「コストン・ド・サンチニョ・クラブ」で開催されたフェデラソンの理事長大会の時に、「ゴルフ7」を全国的に紹介する。
ゲートボール 斉藤 ジョアン ネット さん 1957年生れ。
青年期より父の斉藤マサオ・セルソ氏の指導の下、野球を始める。州選手権、及び全伯大会等に出場。73、74年にはブラジル代表に選ばれる。
94年よりゴイアス州カルダス・ノーバスにある、太陽ホテルにて勤務。ゲートボール協会のゴイアス州カルダス・ノーバス地区委員長となり、ゲートボール連合会本部の役員も勤める。
これまで参加したパラカツー・チーム、アラグアリ・チーム、ゴイアニア・チームでは2回、全伯大会(自由枠)で優勝している。
又全伯大会を2度開催(ゴイアス、カルダス・ノーバス)し、ゲートボールの発展に貢献している。
テニス 岩井 ヒデオ ロベルト さん 1958年生れ。
南米大会、ブラジル大会、サンパウロ州大会で優勝。
80年より各クラブ(コンチネンタル・パルキ・クラブ、コーペルコチア・アトレチコ・クラブ、ブラガンサ・スポーツ協会、クルーベ・アトレチコ・トレメンベー等)やマッケンジー総合大学で指導者として活躍。
国内外を問わず、学生から社会人まで、多くの選手を育て、数多くの大会で好成績をおさめている。
テニス・インストラクターの資格を持つ。
競技者用の競技前フィジカルウォーミングアップを習得。
現在はクルーベ・アトレチコ・トレメンベーで監督、指導者として96年より活躍している。
古武道 アレッサンドロ ラバーロ バルボーザ さん 1974年生れ。
日本古武道協会会員
二天古武道研究所10周年記念大会にて、剣術の部で準優勝。
岸川ジョージ先生に師事し、10年以上となる。
普段はポルト・アレグレ市にて、ジョエル・コレイア氏と鍛錬を積んでいる。ジョエル氏と、ポルト・アレグレ市の道場運営をしている。04年頃よりアルゼンチン国ブエノス・アイレス市にて練習を行い、05年には、ブエノス・アイレス市支部の責任者となる。又、チリ二天古武道研究所の設立にも、尽力した。
東京警視庁で、神道夢想流の練習を行うなど、多くの研鑽を積む。08年より、ポルト・アレグレ支部のコーディネーターを務める。
卓球 山本 ヒデオ レイナルド さん 1982年生れ。
98年、17歳以下ユース代表としてモスクワへ。
03年、南米競技大会で銅メダルを獲得。
04年、世界大会で団体2部で優勝。
南米競技大会では9つの金メダル、ラテン・アメリカ大会では2つの金メダルを獲得など、国内外で多くの好成績を残す。
競技者を続けながら指導者としても活躍。
03/04年に、障害者(イヴァニルド・デ・フレイタス氏)の指導も行う。05からは、USP医療学科女子チームの指導、サンカエターノ・ド・スール市役所チームの指導、イタイン・ケイコ(グアルーリョス)チームの指導。11年にはブラジル選抜の指導も行っている。
射撃 佐藤 アンナ ベアトリース アユミ さん 1992年生れ。
リオ・グランデ・ド・ノルテ州 ナタール出身
幼少の頃よりクラッシク・バレエを始める。
11歳の頃よりグアルーリョスのUCEGにてソフトボールを始め、10年には奨学金選手として選ばれる。
USP(数学統計学科)に進学後も続ける。
同時期にバレーボールもはじめ、ホーリネス・リベルダーデ・チームに所属。
射撃は08年、ビームライフルを始め、現在に至る。
リオ・グランデ・ド・ノルテ州出身ながら、リオ、ブラジリア、スペイン国マドリード等の多くの都市に住み、勉学を励む傍ら、常にスポーツを続けている。
柔道 桑原 アラン エイジ さん 1992年生れ。
サンパウロ州モジ・ダス・クルーゼス市出身。
ピニェイロス・スポーツ・クラブ在籍
14年の柔道経験。現在初段。
11年、世界選手権20歳以下の部で、第3位(南アフリカ国ケープタウンにて開催)
汎米選手権大会で4度の優勝。(05、07、10、11年)
全ブラジル選手権大会で4度の優勝。(05、08、10、11)
南ブラジル選手権大会で3度の優勝。
パウリスタ選手権大会で9度の優勝。(03、04、05、06、07、08、09、10、11)
今後が有望な選手で、まだまだ技術が伸びている。
水泳 小川 丸山 ガブリエル さん 1994年生れ。
09年、南米大会400mメドレー(青少年の部)で準優勝。
10年、ポルトガルで開催された、マルチ・ネイション・ユース・スイミング・ミート大会において、400mメドレー銅メダル。その他ブラジル大会、パウリスタ大会、シッコ・ピッスィーナ国際大会で数多くのメダルを獲得。
年間の国内青少年最高選手に選ばれる。(ベスト・スイミング)
11年、ブラジル冬季、夏季選手権にてそれぞれ4つの金メダル。個人の最高得点獲得。
パウリスタ冬季選手権にて6つの金メダル。
ブラジル代表に選ばれ、ペルー国リマ市で開催されたジュニア世界大会に出場。

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