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「お遍路文化をブラジルに」=NPO団体『遍路とおもてなしのネットワーク』=香川県人会で講演会開く=約70人が熱心に耳傾け

ニッケイ新聞 2012年5月4日付け

 日本の四国にある88カ所の礼所を巡拝する「遍路」文化の普及活動を行うNPO法人「遍路とおもてなしのネットワーク」(高松市、梅原利之理事長)の関係者らが今月来伯し、ブラジルの日系人に「お遍路」の歴史や概要を紹介する講演会を香川県人会会館で開き、約70人が参加して熱心に聞き入った。会場にはお遍路さん(88カ所の巡礼者の意)のかぶる「すげがさ」や「納札」などの巡礼用品、88カ所を示した地図や絵葉書が展示され、参加者の関心を集めた。

 同NPOは、四国遍路やおもてなし文化の活性化、世界遺産登録などに向けて取り組む団体として5年前に設立された。
 地域の人々とお遍路さんの交流の場や道案内シール、石柱の設置、親子お遍路ウォーキングの開催、徒歩や自転車でのスタンプラリーや認定証の発行、東京での講習会など様々な活動を行う。
 また、キリスト教の三大巡礼地であるスペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」への巡礼路の視察、その経由地の町「モリーナセカ」との交流も行っている。
 来伯した松岡敬文事務局長(62、香川)は、自らすげがさや、巡例時に着る白衣を身につけて登壇。巡路を開いたとされる空海(弘法大師)や四国の概要、お遍路の巡り方や手段、作法などを説明し、「お遍路は88の寺を結ぶ、弘法大師が歩んだ道で1千年以上続く。世界にアピールしたい財産」と強調した。
 同氏によれば、スペインの巡礼路を巡る人は一昨年時点で22万人に上ったのに比べ、お遍路を歩いて巡礼する人は年間3千人にとどまる。
 世界遺産登録を目指すが「最終目的は1千年、2千年後も続くこと。本当に素晴らしいものだからこそ、世界中の人に経験してもらいたい。おもてなしをする人が増えれば、もっと多くの人が四国へ来てくれるはず」と力説する。
 「(巡礼は)人間を変え、平和にするもの。ぜひ四国をまわってみてほしい」と締めくくった。
 講演後は「一週間で巡礼するにはどこが良いか」「巡礼に適した季節はあるか」「どんなところに泊まるのか」など様々な質問が出た。
 日本に3週間ほど旅行し、その魅力にとりつかれたというミルトン・マレルバさん(46、聖市在住)は、四国に興味があり足を運んだという。絵葉書を熱心に写真に撮りながら「通訳がないとわかっていたが、スライドの画像や展示品などでなんとなく理解できた」と笑顔で話した。
 同様の講演会は「太陽の道交流会」主催で29日にもアグアス・デ・サンペドロで開かれ、市も共催し約500人が集まったという。
 松岡氏と関係者2人、菅原パウロ会長は複数の巡礼者を伴い、聖州サンターナ・デ・パルナイーバからアグアス・デ・サンペドロを結ぶ約240キロの巡礼路「太陽の道」(Caminho do Sol)を、今月1日から11日まで巡礼する。
 なお、今回は「モリーナセカ」のアルフォンソ・アリアス・バルボア自治体首長がNPOモリーナセカ巡礼教会会長、巡礼宿(アルベルゲ)協会事務局長らとともに来伯しており、県人会、アグアス・デ・サンペドロでの講演・展示会で講演している。

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