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UCES=百万レ〃天野〃基金設立へ=「聖南西からブラジル変える」「政治家に影響力持つ」=天野節、久々に大炸裂

ニッケイ新聞 2012年5月16日付け

 「金がないとダメ。政治家に影響力を持つためにも基金が必要」—。聖南西文化体育連盟(UCES、山村敏明会長)は今年初の定例役員会をヴァルゼン・グランデ文協で12日に開き、昨年末から検討してきた『100万レアル基金』の設立を決めた。ピニャール移住地在住の資産家・天野鉄人氏の提案によるもので、3年後の達成を目指す。「聖南西からブラジルを変える。これが第一歩」と同氏は満足気な表情で持論を展開した。

 UCESは定期総会(1月21日)、臨時総会(2月11日)、基金説明会(4月7日)を開き、検討を重ねてきた。
 現在の会費は各文協の規模や運営状態により、A(10文協、1600レ)、B(4、800レ)、C(11、400レ)と分かれており、6文協が未納。基金設立には、それぞれが6千レ(×10=6万レ)、3千レ(×4=1万2千レ)、1500レ(×11=1万6500レ)を積み立てる。
 この合計(8万8500レ)に対し、天野氏は1・5倍の金額を個人負担するとしてきたが今回、2倍にすると提案。
 つまり天野氏が17万7千レを加え(あわせて26万5500レ)これを3年続けると、79万6500レとなる。
 残金は関しては、会社などに寄付を仰ぎ、その金額と同等を天野氏が寄付する。10万レを集めれば、100万レに達するという計算になる。
 反対の立場を取ったのは、イビウーナ、タツイー、ピラール・ド・スールの3文協。
 「何に使うのか」「役員が交代したら問題が起こるのでは」「3年の途中で支払いが滞った場合は?」などの懸念が上がった。
 山村会長はレジストロ地方で2013年に移住100周年を祝うことを挙げ「確固たる目的があるが、お金は集まらない。お金を集めること自体が協力関係を築く事業では」と話し、地元レジストロ・ベースボール・クラブ代表が6千レの小切手を手渡すことで賛意を示した。
 賛同者らは「必要となったときのためにお金は貯めるもの」「3年後には会費を支払う必要もなくなる。会費の先払いと考える」「2倍の利子をつける銀行は世界中どこにもない」など意見を述べた。
 天野氏は「1・5倍から2倍の協力に変更したことも踏まえ、会員らと再考して欲しい」と3文協の代表に理解を求め承認された。
 天野氏は待ち兼ねたように「この基金は100%実現できる。私がもし亡くなっても遺言を残しておくので大丈夫。私を利用して欲しい。教育に使うのも大事だが、政治家に認識させることで力を持ち、ブラジルを変える。金があれば文協も残り、人も集まる。親より1レアルが大事」と独自の持論を展開した。
 次回の定例役員会は9月15日にイタペーヴァで開かれる予定。

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