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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2012年6月19日付け

 デカセギが福島原発の作業員として派遣会社に登録されたのが、伯政府の「不満」表明で撤回となった一件は疑問が残った。個人的には、政府の反応はいささか過剰だったように感じる。
 求人広告には「原発から20キロ圏内」「防護服着用」「毎日医師の検査を受ける」と明記してあったようだ。面接等で詳細な説明があったかどうかは別だが、少なくとも広告のレベルで危険性は明らかにされていた。
 登録された人はその危険を認識したうえで応募したということだ。それだけ、日本に残ったデカセギの雇用状況が厳しく、不安定だということが想像される。
 国民を危険から守るのは国の責務なのかもしれない。デカセギに対して政府は以前から「自己責任」と冷淡であるように見えるし、その通りではあるだろうが、今回の件もある意味「自己責任」とはいえないか。(詩)

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