ホーム | 日系社会ニュース | ■訃報■清谷益次氏

■訃報■清谷益次氏

ニッケイ新聞 2012年6月20日付け

 コロニア歌人の清谷益次氏が15日の午後6時ごろ、心臓発作のためサンパウロ市ジャルジン・ダ・サウーデ区の自宅で亡くなった。96歳だった。翌日葬儀が執り行われ、コンゴーニャス墓地に埋葬された。
 1916年広島県生まれ。26年にもんてびでお丸で家族と移住した。49年から5年間、本紙の前身であるパウリスタ新聞で記者、デスク、編集長も務めた。続いてパイロット社の外交員を経て南伯農業協同組合中央会に勤務した。
 歌人・作家としても活躍し、戦後に「椰子樹」を復刊させ20年間編集に携わったほか、パウリスタ文芸賞の選考委員や本紙ニッケイ歌壇の選者だった。
 「コロニア文学」の創立に尽力し、少年時代を綴った「遠い日々のこと」、伝記「岩波菊治—短歌に辿る一移民の心の軌跡」、「ブラジル日系コロニア文芸」の短歌部門など様々な著作を残し、雑誌や新聞にも執筆した。またブラジル日本移民史料館設立時、斉藤広志・初代館長と共に史料の収集に奔走した。
 初七日法要は行なわれない。四十九日法要は未定。

image_print