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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2012年6月23日付け

 本日発行の「移民の日特集号」の『移民船の思い出』で13人に取材する機会を得た。
 一番印象に残ったのは、船で死人が出ると水葬によって弔われていたことだ。特に幼い乗船者が日射病などで命を落とすこともあったと聞いた。
 他にどうしようもなかったとはいえ、墓も残らない方法での弔い方には抵抗を感じる遺族も多かったに違いない。わが子を海に送り出す際の悲しみは、筆舌に尽くし難いものだったろう。
 ブラジルの地を踏む前に命を落とし「渡航者」から「移住者」になることが出来なかった人たちー。
 先亡者というと、どうしても開拓に生きた人だけに目が行きがちだが、辿り着く前に命を落とした〃移民〃がいた事実は、日本では想像だにしなかった。104目の節目に彼らの冥福を祈りたい。(酒)

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