ホーム | 日系社会ニュース | オイスカ 中野会長が来伯=宮城 海岸林再生の報告も=「日伯絆の森」で植樹も

オイスカ 中野会長が来伯=宮城 海岸林再生の報告も=「日伯絆の森」で植樹も

ニッケイ新聞 2012年6月30日付け

 リオデジャネイロ市で20〜22日に開催された国連持続可能な開発会議(リオプラス20)に出席した公益財団法人オイスカの会長・中野良子氏の記者会見兼懇親会が23日、サンパウロ市リベルダーデ区のニッケイパレスホテルで開かれた。 リオでの会議の報告のほか、同団体が宮城県名取市で進めている「海岸林再生プロジェクト」についての説明などが行われ、約30人の関係者が訪れた。
 オイスカは本部を日本に置き、30の国と地域に組織を持つ国際NGO。主にアジア・太平洋地域で農村開発や環境保全活動を展開し、各国の人材育成にも力を入れている。
 中野氏は冒頭の挨拶の中で「リオでの会議で強調してきたのが『ふるさと』というテーマ。共同体意識を高め、支えあいながら活動していくことが大切」と話した。
 同会議で、再生プロジェクトについての講演を行った「名取市海岸林再生の会」の鈴木英二会長(71、同市出身)は「何から手をつけて良いかわからないという状況の中で、最初に出した答えは、早急な海岸林の再生だった」と話し、防砂、防潮、防風などの面での重要な役割を説明。「松と私たちの生活は共同体。海岸林が再生しないことには、生活の再建は有り得ない」と力を込めた。
 同プロジェクトは昨年3月の震災によって甚大な被害を受けた東北沿岸地区の海岸林のうち、宮城県名取市周辺に100ヘクタール分となる50万本のクロマツを植樹するというもので、現在国内、海外を問わず10億円を目標とした募金活動を行っている。
 会の終了後、中野氏を含む一行はファゼンダ・ド・カルモ自然公園に移動。ブラジル日本移住者協会(小山昭朗会長)とオイスカ・ブラジル総局(高木ラウル会長)の共催事業として行われている「日伯絆の森計画」の一環として約20本の白イペーの植樹を行った。
 中野氏は本紙の取材に対し「日系コロニアが多くの植樹が行なっているのは素晴らしいこと。綺麗な緑があってこそ綺麗な国となる。続けて欲しい」と話し、移住者協会らの活動を評価した。

image_print