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ブラジリア=国会で移民104周年式典=文化普及進めた6人表彰=全伯から2百人が参加

ニッケイ新聞 2012年7月6日付け

 伯日議員連盟(西森ルイス会長)と在ブラジル日本国大使館の共催で先月26日午前、ブラジリアの連邦下院議会で「移民104周年記念式典」が開催され、約200人が出席した。式典には西森会長をはじめ高山ヒデカズ、大田慶子、安部順二下議、三輪昭在ブラジル日本国大使、JICAブラジル事務所の室澤智史所長らが出席。日本文化の普及に貢献した6人が表彰され、今後もその普及に力を注いでいくことが宣言された。

 上田雅三(まさみ)連邦高裁判事、下本八郎元サンパウロ州議員、日伯農業開発株式会社の秋本満敏副社長、パラナ日伯文化連合会の嶋田巧前会長、サンパウロ新聞社の水本エドアルド社主、三輪昭大使が表彰され、同連盟議員から記念プレートが手渡された。
 表彰者を代表して上田判事は「ブラジルで貢献した我々の祖先に敬意を払うと共に、移民を受け入れてくれたブラジルに感謝」とあいさつ。三輪大使は「苦労を重ね、ブラジルで信頼を勝ち取った日本移民は我々の誇り」と強調した。日伯議員連盟事務局長の藤村修内閣官房長官から届いたメッセージも紹介された。
 大田、高山、安部下議はそれぞれ、「日系社会は常に発展しているが、その経緯や歴史を忘れずに子孫へと伝え、将来の日系社会を作って行こう」と呼びかけた。
 表彰を受けた嶋田さん(79、二世)はパラナ日伯文化連合会会長を長年務め、同地日系社会の結束に尽力した。「こんな素晴らしい賞を私になんてもったいない。パラナの日系人を代表して受け取りました」と感謝を示し、折笠力己知・現会長は「これまでと違った移民の表彰が行われて良かった。パラナでも西森下議と協力して文化継承に力を入れていきたい」と語った。
 秋本さん(63、愛媛)はセラード開発など日系農業に30年携わり、近年は文協RURALの企画にも力を注ぐ。「このような機会で、今までの努力が認められて嬉しい」と喜んだ。
 西森議員は「今回の表彰は数人に贈られたが、本来は日々の小さな活動に従事している数多くの日系人に贈られるべきもの」と語り、各個人の貢献を称えた。式典には南部からの出席者も多く、県連の園田昭憲会長のほか、パラナ州からは50人が参加した。
 同記念式典は19〜28日の日本文化週間の中で開催されたもので、会場では浮世絵や草月流による生け花の展示、東日本大震災後の復興の様子と東北文化を伝える写真の展示会が行われていた。記念式典後には、文化週間の開会式も行われ、琉球國祭り太鼓の華やかな演奏が会場を盛り上げた。(長村裕佳子通信員)

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