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世界の邦字紙より=亜国=双葉小学校創設75周年祝う=花卉園芸業者中心に発展=地域日系社会の文化拠点

ニッケイ新聞 2012年8月9日付け

 【らぷらた報知7月31日】現サルミエント日本語学校の前身、双葉小学校の創設75周年記念式典、祝賀会が去る7月8日14時より、サルミエント日本人会会館で行われた。来賓として、長沼智之領事、米須清文・FANA(日系団体連合会)会長、一色田眸・教育連合会副会長、高坂和憲・亜日文化財団理事長、ネリ・アルトウベJ・C・パス博物館館長、諸日系団体会長、諸日本語学校校長、地域の文化団体代表のほか、双葉小学校卒業生など多数の参加があった。
 式典は、亜日両国旗、校旗入場式、先没者への黙祷、宇都宮・渋川ミルタ・学校維持会長、玉城アルフレッド・サルミエント日本人会会長の挨拶が続いた。さらに、高市へルマン・在校生総代の挨拶、元維持会長、学校への協力者への感謝状贈呈、金城タカミ校長へ記念プラケータ贈呈があった。
 また、長沼領事から、75年にわたる日本語継承の教育、三世、四世の日本語習得への興味、マンガや日本のポピュラー音楽Jpop愛好から日本語や日本文化に興味を抱くようになった若者たちへの賞賛の言葉があった。
 同校卒業生の米須FANA会長より祝辞と共に、これまでの学校の略歴の紹介、一色田教連副会長からも学校サイドと、子弟の日本語教育を奨励する父兄に対する、お祝いの言葉があった。
 記念撮影のあと、全校生徒出演のミニ劇「双葉の歩み」が繰り広げられた。幼稚園児たちの唱歌と踊り、1993年のJICA派遣シニア専門家、松井テルヒサ先生による校歌の合唱があり、進行中、双葉小学校が双葉から成長しながら、木の葉が加えられて繁った木に成長する過程が示され、ピアノ伴奏で「歌よ響け」の合唱で学校のよき成長を祈った。
 さらに、和太鼓双葉太鼓グループによる「Rising 日の出」の演奏、古参卒業生の阪田・小沢ネリさん、宇都宮ミルタ維持会長による記念プラカの除幕、乾杯があった。
 厳しい寒さにもかかわらず、約450人が参加したが、遠くプロビンシアに住む50年振りの卒業生もあった。
 「日本人移住者が集団で住みついた全ての地域の歴史が、日本語の歴史に結びついている」(米須FANA会長)ように、花卉園芸行中心のJ・C・パス、サンミゲル地域の日本人先駆者たちも、快適な家庭生活よりも子弟に日本語を教え、日本文化を伝える教育を優先、まだ子どものいない夫婦、独身者たちも協力した。
 はじめは、6人の児童からはじまり、日本人の増加、発展と共に学校を拡張、不動産を購入、1944年、バイリンガル(日西両語)の全日制双葉小学校をサンミゲル駅から近いミトレ大通り300番に完成させ、1947年4月まで機能した。あと、第二次大戦中終結近くの日亜国交断絶で閉鎖され、施設は中学課程の工業学校に貸与する形になっている。
 去る4月、サンミゲル市議会から高名市民章を受賞した、ドトール根路銘フェルナンドも同校卒業生。市議会でその推薦状を読み上げた議員はこの工業中学に関係した人だったが、こうした経緯をよく知っていた。

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