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レジストロ=平和灯ろう流しに7百人=核兵器廃絶の願い込め=同会場で盆踊りも開催

ニッケイ新聞 2012年8月22日付け

 レジストロ日伯文化協会(金子国栄会長)、リベイラ沿岸日系団体連合会(山村敏明会長)など7団体が主催する『第4回平和灯ろう流し』が18日、レジストロ市のリベイラ川沿いベイラ・リオ公園で開かれた。同市近隣の州立学校の生徒ら約300人を含む700人以上が参加し、核兵器廃絶と世界平和の祈りを捧げた。続いて同会場で行われた『第52回盆踊り大会』も盛況を博し、約1500人が深夜まで踊りを楽しんだ。

 次世代を担う若者が戦争、核兵器の恐怖と悲惨さを考える機会を設けることを目的に2009年から行なわれている。
 式典は夕刻、レジストロ市音楽隊の演奏による両国国家斉唱で始まり、実行委員長の山村会長が「灯ろうに願いを込めて、この地から世界に向け恒久平和の願いの声を発信していきたい」と開会宣言、ブラジル被爆者平和協会の森田隆会長も挨拶した。
 サンドラ・ケネディ同市市長は「日本の反対側に位置するブラジルで原爆の恐ろしさを伝え、世界から無くそうとする活動は地球を守ることにつながる」と話した。
 続いて長山アゴスチーノ神父によるカトリック式の追悼法要が営まれ、近隣の州立学校の生徒ら約300人によるコーラスが「原爆ゆるすまじ」「千羽鶴」など平和の声を轟かせた。
 式典が終わると同時に州立学校の生徒らが作った約300の灯ろうが川上から流されたが、風向きの悪さが影響し、川下まで流れてこないというハプニングもあった。
 サンパウロ市から訪れた60代の女性3人組は「遠くに流れてしまって、近くで見ることが出来なかったのは少し残念。それでも若者たちのコーラス発表には凄く元気をもらいました」と笑顔で話した。
 午後8時頃からは『第52回盆踊り大会』が開かれ、「炭坑節」「東京音頭」「北海盆唄」などのおなじみの楽曲での盆踊りに加え、若者たちを中心としたマツリダンスも行われ、午後11時半を過ぎるまで賑わいが途絶えることはなかった。


ブラジルの若沖縄の高校生6人も参加=地元学生と仲良く交流

 式典には、ゲストとして沖縄尚学高校の生徒6人も参加。沖縄の伝統的な民舞であるエイサーと、ソーラン節を披露した。姉妹校提携を結ぶサンパウロ市内の高校との交換研修制度での約2週間の滞伯で、偶然開催時期が重なったこのイベントに招待された。
 迫力ある演技とハッピに鉢巻の姿が珍しかったのか、学生らが記念撮影を求める場面も。生徒らはこれに快く応じ、国籍を超えた若者同士の交流を楽しんだ。
 参加者の一人である比嘉夏希さん(17、沖縄)は「ブラジルの人はとてもオープンでフレンドリー。演技中も凄く盛り上がり楽しかった」と笑顔で話した。

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