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水産・養殖産業展11月に=もっと日本企業の参加を=マグロ養殖専門家が講演=「いつか和食の都サンパウロ市で」

ニッケイ新聞 2012年10月5日付け

 11月7、8、9日にバイーア州都サルバドールで第3回「AquaPescaBrasil」(水産・養殖産業展)が開催されるにあたり、営業担当役員のイヴァン・ゴゴレフスキさん(48、エストニア系三世)が平崎靖之さんとともに来社して、日系企業の参加を呼びかけた。大使館の協力で今年初めて日本からマグロ養殖の専門家を呼び、講演が行なわれることになっており、「日本食と我々の業界は切っても切れない関係にある。日本から講演者を呼べたことはブラジルにとっては画期的なこと」とゴゴレフスキさんは喜んだ。

 11月8日に日本から来て講演するのは、世界でも珍しい日本独自の技術であるマグロ養殖の専門家、近畿大学の沢田好史教授だ。ゴゴレフスキさんから「適当な講演者はいないか」と相談を受けた平崎さんが大使館に依頼したところ、実現の運びとなった。
 「実はバイーア州の沖まで寒流が来ている。つまりブラジルにも優良なマグロ漁場があり、日本から漁船が来ている。当地で養殖をし、それを国内で消費するとともに輸出することも将来的に可能」とゴゴレフスキさんは夢を膨らます。「日本食レストランではチリ産の養殖鮭は欠かせないものだが、いずれこれも国産化にできないかと念願する。チリに養殖を伝授したのは日本だ。ぜひブラジルにもお願いしたい。当日はそんな話もきっと出てくると思う」と熱く語る。
 さらに「この産業展に日本企業にもっと出店してもらい、ぜひ当地の水産業界を活性化してほしい。当国には広大な海岸線があり、河川での養殖はゼロに近い状況。この業界において日伯の交流が盛んになることは、大きな意味がある。農業だけでなく、もっと当地の可能性を見出してほしい」とのべた。
 同産業展はイタジャイー地方水産業組合(Sindipi)が主催。牡蠣やエビの養殖で知られるサンタカタリーナ州イタジャイーで第2回まで行われ、今回はバイーア州知事からの招待により、サルバドールで開催される。「いずれ日本食の都サンパウロでも」とゴゴレフスキさんの夢は膨らむ。平崎さんは「日伯にとって重要なイベントに育てていきたいですね」と語った。問い合わせはゴゴレフスキさん(48・9157・0025、ivan@aquapescabrasil.com.br)まで。

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