ニッケイ新聞 2012年10月6日付け
世界的にM&Aや経営コンサルティングを手がける「竹中パートナーズ・グループ」(1989年設立、本社ロサンゼルス)の竹中征夫社長(70、愛知)と網本敏明副社長(58、山口)が、当地でのビジネス拡大を目的に来伯した。
竹中社長によれば、日本企業は益々ブラジルに関心の目を向けており、南米における投資・買収・合併案件も着々と増えつつある。そのため今後、ブラジルをはじめ南米に進出する企業の後押しを目指し、当地の同業者との協力関係を深めていく方針だ。
竹中社長は「日本の市場は先細り。これからの企業は、最低50%を国外で稼がないと駄目だと思う。これからの現場は日本の外」と力説し、「海外に住む日本人ではなく、現地の客を対象にしていかないと」などと日本企業の方向転換を促した。
現地の習慣や考え方に合わせる柔軟性を持つことが、グローバル・ビジネス成功には不可欠。網本副社長は「グローバル化は〃グローカル〃。ローカルを理解することでグローバル化できる」と語った。
竹中社長は57年に渡米し、ユタ大学会計学部を卒業。65年に日本人として初めて世界4大会計事務所のピート・マーウィック・ミッチェル事務所(現KPMG)に入社し、米国公認会計士の資格を取得したほか、大手日系企業の米国進出をサポートした。89年に同社設立、ロス、東京を拠点にアジア、ヨーロッパを中心に活躍。著書「企業買収戦略 M&Aによる新しい企業成長 (ダイヤモンド社、87年出版)はベストセラーとなった。