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日本会議=「みなで領土問題考える」=意見交換会に約20人=「国力持ち、領土と国護れ」

ニッケイ新聞 2012年10月17日付け

 尖閣諸島、北方領土、竹島—互いの国益を巡り中国、ロシア、韓国との間で火花が散る領土問題に関し、コロニアの意見を吸い上げ日本政府に提言を行なうことを目的に、ブラジル日本会議(小森広理事長)は11日、『第2回領土問題に関する意見交換会』をサンパウロ市のブラジル日本語センターで開催した。会員・非会員含め約20人が出席し、過激派から穏健派まで様々な意見が出された。「日本は容易に謝罪すべきではない」「国益を護るための力(軍備)をもつべき」「対外交渉のやり方が頼りない。日本の領土だと強く世界に公言すべき」などが全体に共通する意見だった。1回目の意見交換会にも出席した人や、積極的に意見を述べる二世もおり、領土問題へのコロニアの関心の高さが伺われた。

 国土が狭く資源の乏しい日本にとり、好漁場や天然資源を有する島々は、小さいといえ貴重な領土。そのため「弱気な姿勢をみせてはいけない。妥協せず領有権を主張するべき」との見解が大半を占めた。
 現在、尖閣諸島国有化に伴い中国の反日運動が激化するなど、緊迫した情勢が続いていると報道されている。こうした状況も踏まえ、「自国は自分達で護るべき」「世界では力のある国の意見が通る」と、国力(軍備)を増強することの必要性が口々に語られた。
 「憲法改正」との声もあり、村崎道徳同会常任顧問からは「愛国心のある子どもを育て、徴兵制をしくべき」との意見も出された。
 いずれも歴史的に日本の領土であるとの考えから、数人の発表者はただ強硬な姿勢を貫くだけではなく、歴史を踏まえた上で領有権を主張することの重要性も強調した。
 小松雹玄さん(65、秋田)は慰安婦問題を例に挙げ、「謝ることで『ない』ことになっていた問題が顕在化する」と謝罪の危険性を指摘し、高松玖枝さん(60、香川)も「謝るのは日本の美意識だけど、非を認めることになる」と政府の姿勢を批判した。
 9月27日開かれた第1回意見交換会には30人が出席し、前述の意見のほか「人を移住、もしくは軍隊を置いて実効支配を」「日本は国防力がある。足りないのは外への発信力」「米国の安全保障条約に守ってもらうべき」「日本国民に危機感がない」等の意見も挙げられた。
 2回に渡り寄せられた意見は、同会議が取りまとめた上で日本政府に提出される。
 「日本会議」は日本最大の保守系組織で文化人、政治家、財界人、宗教家など約3万人の構成員が国民運動を展開、政策提言などを行なっている。ブラジル支部は海外唯一の支部で、99年に発足。皇居勤労奉仕団の派遣、一般向け勉強会などを行なっている。
 今後は11月1日に「日本文化と歴史の探求会」、8日に「皇室問題に関する意見交換会」を開く。いずれも同センターで午後2時から。

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