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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2012年10月25日付け

 今更ながら、当地では出される食事の量がとにかく多い。残すともったいないので少なめに注文し、完食するよう心がけている。
 しかし当地の日本人は—と言っても一緒に食事をしたことのある人に限るが、食べ物を残すことに抵抗がないように見える。コラム子が「もったいない」と言うと、「ここではこうなんや」とさらりと返されたこともあった。食べきれないほど振舞うのがもてなしとされる当地に住むと、こうした日本人的感覚が薄れてしまうのだろうか。
 ブラジルの農業の第一線で活躍してきた日本人なら、植物であれ動物であれ、食べ物の価値や育てる苦労は身に沁みて知っているはず。「米粒一つには7人の神様がいる」と食べ物を尊び、「もったいない」と物を大事にする日本人の美徳はいつまでも保ち、伯社会にも広めてほしいと思う。(阿)

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