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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年11月17日付け

 やっと衆院の解散が決まり12月16日の投開票となった。あの8月の党首会談で自民党の谷垣前総裁に解散を迫られた首相が「近いうちに」と語ってから3カ月。今回も国会での党首討論で自民の安倍総裁らと討議しているなかでの突然の「解散決定」であり、民主党での内紛?は凄まじい。鳩山元首相は「党内に残るのは厳しい」と離党を仄めかし、小沢鋭仁元環境相は離党し、維新の会に合流し立候補すると表明した▼恐らく、このような離党を目指す議員はもっともっと増えるだろうし、最悪の事態になれば「民主党分裂」も視野にいれるべきかも知れない。とにかく—鳩山元首相の普天間問題に始まり、福島原発事故への対応など民主党政権の酷さは目に余る。先の選挙公約のうち実現したのは30%だけだし、野田首相が国民に頭を下げて「お詫び」し、全国11カ所かで「謝罪集会」を開く始末である▼こんな体たらくであり、野田内閣の支持率は20%台に落ち、政権基盤は脆弱であり、もはや政治の正面から退くのが筋と言うものである。勿論、中国との尖閣やずたずたになった外交政策の見直しとか、今—政治的な空白は避けるべきだの論は成り立つ。だが、こうした難問に耐えるだけの力が民主党にあるとは考え難く、今の状況で選挙となれば、民主大敗の可能性が高い▼このリスクを承知の上での首相勇断であり、これは高く評価していい。この選挙は民主党には辛く苦しい。一方の自民党は「政権奪取」の意気込みが強く、公明党も頑張るだろうし、多分—100%の確立で新政権が誕生し、新しい政治が始まると見たい。(遯)

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