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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年11月27日付け

 「ホーリー・シティ」という英語の曲がある。14日から始まったガザ地区空爆が21日の停戦合意で中断され、ガザ地区では遺体の回収などと共に再建への取り組み開始といった記事や、イラク生まれのイスラエル人とイラク人の詩人がサンパウロ市訪問といった記事を見て、思わず口ずさんだのがエルサレムを「聖なる市」と称えるこの曲だった▼8日間で少なくとも160人が命を落としたイスラエルとパレスチナの争いは、異母兄弟から分かれた民族の永年の呪縛の表れだ。「聖なる市」を口ずさみながら、字で書けば同じ当地〃サンパウロ市〃での停戦ありやとも夢想した▼かくいうサンパウロ市やその周辺では、州都第一コマンドことPCCと軍警の「布告なき戦い」が続き、10人前後の死者が連日出ている。軍警がPCCメンバーを殺害する前に、その前科などのデータを署内で調べた形跡があるとの記事も、週末に流れた▼ハムラビ法典には「歯には歯を、目には目を」という原則がある。結婚を断った相手から濃硫酸を浴びせられて失明し、顔の整形を繰り返した女性が先日、同法典にのっとり男性の目をつぶす許可を得たとの国際報道もあった。ただし、「それをしない代わりに治療費などは払って欲しい」と望んでいるとも▼ガザ地区やサンパウロ市の「布告なき戦い」はハムラビ法典の同等報復を外れた展開ともいえる。やり返したいのは人の性だが、報復合戦の問題は「終わりがない」ことだ。イスラエルとパレスチナは停戦で合意しても、サンパウロ州新保安局長がPCCと軍警の間の調停役となる見込みは薄い。聖書には「敵を赦せ」といった勧めがあるが、〃サンパウロ市〃の平和はいつ来るのだろうか。(み)

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