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女性農業者3人が来伯=農水省 ふるさと交流

ニッケイ新聞 2012年12月4日付け

 農林水産省による「食料供給安定化国際農業連携対策事業」の一環「中南米ふるさと交流研修」で、高知、愛媛の農協婦人部員・真辺由香(50、高知)、川井由紀(49、同)、西川久美さん(51、愛媛)らが来伯した。6日まで滞在し、伯、パラグアイ両国の農協婦人部で料理講習会や交流を行う。
 日本の食糧危機に備え、農業国と連携を図る事業の一環で、女性のみを対象にした事業は今回初。中央開発コーポレーションが事業を受託した。3人はいずれも「いかに付加価値を付けるか」に苦心しながら、地元の食材を使った地産地消の推進に務めており、全国的に低迷する農協婦人部を盛り立てている。
 「地元の美味しさ伝えたい」と張り切る真辺さんが代表を務めるパン工房「米米ハート」では、商品化できない地元産米粉を買い取り、JA土佐れいほくの女性部員19人とパン、ケーキを製造・販売する。真辺さんの妹で、JA高知女性組織協議会副会長の川井さんも同工房の販売事業を支援。県内の婦人部会員が減少する中、異例の会員増を達成している。
 JAにしうわ八幡浜女性部による「みかん倶楽部」代表を務める西川さんも、商品化できないみかんでコロッケ、ジャムや菓子を開発、みかんをテーマにオリジナル曲を制作するなどし、地元の知名度向上に努めている。
 3人は「ブラジルの食文化や販売の仕方を見たい」「ブラジルにしか残っていない昭和の活動を参考にし、次世代にどう繋げるかを考えたい」など抱負を胸に、交流への意欲を見せた。
 同社の大森麗裕コーディネーターは「これまで目立たない立場にあった女性に活躍の場が出来た。人と繋がるのが早い女性同士の交流から、農村問題解決法が生まれれば」と期待を寄せた。1〜2月には当地から女性農業者が派遣される。
 主な日程は次の通り。1日=青葉祭り見学、タトゥイ農協で交流会、2日=カッポン・ボニート農協婦人部で講習会、3日=バルゼン・グランデ・パウリスタ農協婦人部で講習会、5日=南米婦人部の集いに参加。イグアスの滝を見学後、7日に帰国する。

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