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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年12月4日付け

 12月2日から待降節が始まった。イエス・キリストの降誕を祝うのは12月25日(クリスマス、ナタール)だが、その前4回の日曜日は待降節(アドベント)と呼ばれ、教会では講壇などに飾るローソクを1本ずつ増やしたりする▼フランスのシャンゼリゼ大通りでの電飾開始のような世界的ニュースにこそならないが、サンパウロ市でも11月から、家々や広場、大通りにショッピングセンターなどが飾られ、セー広場には降誕の場面を表すプレゼピオがお目見え▼1日からのイビラプエラ公園の光のショーでは、200本以上の木に電飾が輝き、池の中央の噴水が作り出す水のスクリーンには、世界各国のお祝いの言葉などが投影される他、イタリア人テノール歌手アンドレア・ボッチェリやジョン・レノンら演奏のクリスマスソングやダンスも楽しめる。光のショーは13年1月6日までで、午後8時半と9時の2回▼他方、セーやクリニカス、レプブリカなどの地下鉄の駅では3日から14日までの平日のお昼と夕方、計80の合唱団が繰り出し、クリスマスキャロルを聞かせてくれる。この合唱も今年20回目になる恒例行事だ▼パウリスタ大通りの舞台設営も終わり、街はいよいよクリスマス一色だが、借金を抱えている家庭も多いため、クリスマス・パーティ用の食材値上がりなども重なり、プレゼント用の予算は昨年より縮小し、1個当たりの予算は56レアル(昨年は84レアル)とか。この時期の贈り物はキリスト降誕を模したものだけに、義務感より創意工夫で喜びを増し加えたいもの。受け手が喜ぶ顔は、送り手の心にも喜びの灯を点してくれる。(み)

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