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中小企業3社が視察来伯=派遣会社アバンセが企画

ニッケイ新聞 2012年12月5日付け

 ブラジル事情に詳しい派遣会社アバンセコーポレーション(林隆春社長、愛知県一宮市)の企画により、当地への事業展開を視野に入れた製造業など3社の代表が先月20日に来伯し、約1週間の視察を行った。
 来伯したのは、精密プラスチックの成形などを行う「Hakkai株式会社」の関聡彦社長(43、新潟)、大阪の成形樹脂製造を主とする「大和合成株式会社」のベトナム現地法人「ダイワプラスチック・チャンロン」の奥野健太郎代表(38、大阪)、中小工場向け検索サイトの運営などを行う「NCネットワーク」の内原康雄・社長(48、東京)の3人。ソロカバ市やミランドポリス市などにある企業を視察して回った。
 関社長は「日本からの距離とブラジルに対する理解は比例している。日本に理解のある日系社会の存在を知り、その雰囲気を直に感じることが出来たのは好材料」と振り返った。
 一方で「税制や社会の仕組みに問題があるようにも思う。このままでは継続的な経済成長は難しいのでは」との感想も。
 ベトナムに生活の拠点を置く奥野氏は3年越しの念願かなってのブラジル視察となった。「(ベトナムでも)同じようなことが言えるけれど、実際に現地を見て、日本での『ブラジルは好景気!』という報道とのギャップを感じた」と話す。特に、物価面については想定を大きく上回っており「下請け製造業では、現地で安価な材料を揃えられないと利益を挙げられない。上手い入り込み方を探さないと」と思案顔だった。
 内原氏は「サンパウロ市周辺しか視察できていませんが」と前置きした上で、「全く途上国という感覚はなく、安価な労働力を求めての進出というより有益な市場として捉え、肩を組んで共に進んでいくような存在のように思えた」と印象を語った。
 一行は先月27日に帰国した。

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