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在外選挙投票数=在聖管内は前回から半減=05年ピーク時の3分の1=全伯合計でも1千程度か=主因は一世の高齢化?

ニッケイ新聞 2012年12月11日付け

 今月5日から4日間の日程で行われた第46回衆議院議員選挙において、聖総領事館管内では783人が投票に訪れたことがわかった。09年にあった前回の衆院選の1612人を大きく下回り、過去最低数を記録した。05年9月での衆院選で2123票をピークに、減少傾向にある投票数。一世の高齢化により、投票数減少に加速度がついた印象だ。

 1998年の公職選挙法改正で認められ、00年の衆院選から実際に始まった在外投票は、第5回投票となった05年9月がピークだった。全伯で2796票を記録し、当地では投票数が分からない郵便投票分を入れれば、ほぼ3千突破かと言われた。ブラジルでの在外投票の全盛期だった。それから7年——。
 同総領事館の成田強領事部長は「(減少の)一番の理由は、解散から選挙までの期間が短く、管内遠方から来る人らが来聖の予定を立てられなかったことでは」と推測する。今回は11月16日に衆院が解散され、12月4日公示、在外投票は翌5日から開始された。同様の理由により、投票用紙を日本に請求するなど時間がかかる郵便投票も少なかったと見られている。
 さらに「4日間を通して、お年寄りが顕著に多いことが気になった。来なかった有権者も同年代だと考えると、炎天下で蒸し暑い現在の気候がマイナス要因となった可能性は高い」と分析した。
 また、現在同総領事館管内に登録される在外選挙人の数は1万2385人おり、09年の衆院選時点では1万2700人と、半数以下となった投票者と比較すると登録者の数に大きな違いはないが、「印象としては、死亡届を領事館に出さなくても良いと考えている人も多い。発表数と実数に乖離があることは否定できない」とも話した。
 投票期間中唯一の休日となった8日(土曜日)に大きく投票数が増えることもなく、近年の進出企業の増加により期待される駐在員による投票も期待はずれに終わった目算が強い。
 本紙の調査によれば、聖総領事館以外のブラジル内各在外公館でも同様の減少傾向が見られ、全てを合計しても約1千人程度、ピークだった05年の3分の1程度に留まったことがわかった。

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