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かずま忌で俳句三昧の一日=『蜂鳥』誌友和気藹々と

ニッケイ新聞 2012年12月21日付け

 第7回かずま忌俳句大会が15日に文協で開催され、約60人が集まって故富重かずま氏を偲びつつ俳句三昧の一日を過ごした。
 大会委員長の池田童夢さんは開会の辞で、コロニアでは虚子忌、念腹忌、かずま忌の三つの追悼句会が行われており、花鳥諷詠、有季定形をモットーに励んでおり、「ポ語、独語、仏語にもなって俳句は世界に広がってきた」と挨拶した。
 続いてかずま氏、誌友、震災物故者らに黙祷が捧げられ、『蜂鳥』主宰の富重久子さんの挨拶では「心豊かに老いる秘訣」四カ条が説明され、作句を通して、楽しく頭を使って、創造的な日々を送ることの重要性が述べられた。
 来賓の武本憲二ブラジル日系文学会長、文協文芸委員会の浜照夫委員長、『椰子樹』選者の梅崎嘉明(よしあき)さんらが挨拶し、後援会の当真勉会長が健康維持のコツを披露し、誌友代表として松井明子さんがマイクの前で主宰者に感謝した。
 当日、朝3時のバスにのってサンカルロスから駆けつけた富岡絹子さん(岡山、68)は作句を始めて4年、「ここは実力者揃いですごく勉強になる。毎年参加を楽しみにしている」と語った。
 句の披講が行われ、受賞者には日本の瀬戸物などの賞品が送られた。選考の結果は次の通り。
 富重久子選「かずま賞」は「蜂鳥の訪(と)ふ句会ありかずまの忌」(関山玲子)、次点賞「夫(つま)の指咬(か)んで懐(なつ)くや羽抜鳥」(佐藤美恵子)。池田童夢選の特選賞「鳳凰樹望みきまりし歩となりぬ」(浜田すみえ)、次点賞「見上げれば今が見頃の鳳凰樹」(畠山てるえ)、広田ユキ選の特選賞「エジプトの旅をしのぎし夏帽子」(秋末麗子)、次点賞「夢翔けて今も羽搏くかずまの忌」(中川敬子)、浜田一穴選の特選賞「肩書きのなき百姓の夏帽子」(広田ユキ)、次点賞「実篤の雅画捨てがたし古暦」(湯田南山子)、梅崎嘉明選の特選賞「小雨中杖しっかりとかずまの忌」(浜田一穴)、次点賞「まだ生きて行く貌が良い羽抜鳥」(串間いつえ)、小斎棹子選の特選賞「幾許の師の句諳(そらん)じかずまの忌」(広田ユキ)、次点賞「病みしかと案ずるほどに羽抜鳥」(菊池信子)、杉本絃一選の特選賞「先達の碑(いしぶみ)にとる夏帽子」(小斎棹子)、次点賞「エジプトの旅をしのぎし夏帽子」(秋末麗子)
 総合得点賞は1位=広田ユキ(23点)、2位=馬場園かね(16点)、3位=湯田南山子、荒井寿恵美。

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