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植民地発祥のイグアッペ=百周年行事を通年で開催=レジストロで各種行事=同地百周年誌も進行中

ニッケイ新聞 2013年1月1日付け

 ブラジル最初の日本人植民地として開設された聖州イグアッペ植民地が2013年で入植100周年を迎えるにあたり、地域の中心地レジストロなどで一年を通しさまざまな記念事業やイベントが計画されている。イグアッペは「日本人植民地発祥の地」(Berco da Colonizacao Japonesa no Brasil)と連邦政府から認可されており、地方の日系社会が入植一世紀を祝う初めてのケースだ。事業の実施にあたり、レジストロで発足した「入植百周年記念委員会」の山村敏明委員長(71、鹿児島)は、「日本移民発祥の地として、新しい100年を目指してがんばらないと」と意気込んでいる。

 記念事業は12年から一部が進んでいる。11月17日にはセッテ・バーラス文協の新会館落成式が行われ、老朽化が進んだレジストロのベースボール・クラブ(RBBC)体育館全面修復工事の第一期が終了した。
 「移民の歴史も100年が過ぎたので、今後は一世、二世、三世と区別せず、日本文化だけでなく〃ブラジル日系文化〃があっていいと思う。これからは横のつながりを大事に、色んな日系団体や非日系の団体とも融合していきたい」と、山村委員長は新たな世紀の幕開けを前に、決意を新たにしている。
 一年を通して行われるメイン行事は、そのすべてがレジストロで開催予定だ。第一弾は、1月18〜20日にレジストロで行われる「第63回全伯日系卓球選手権大会」。日系選手を中心に全伯から約800人の選手が出場する予定で、地元実行委員会が鋭意準備中だ。聖南西文化体育連盟(UCES)傘下文協も総出で協力する。
 その後4月からはほぼ毎月のペースでイベントが行われ、10月31日(予定)には中心行事となる記念式典がある。同日に、レジストロ文協創立20周年式典も行われ、同委員会第二副委員長の金子国栄さん(72、新潟)によれば4〜500人の出席を見込んでおり、同市と姉妹都市提携を結ぶ岐阜県中津川市からも慶祝団約20人が祝福に訪れる予定だ。
 翌11月1、2日には「第59回灯籠流し」があり、同月はレジストロ文協の増築工事、レジストロベースボール・クラブの体育館修復工事もすべて終了する見込みだ。
 その他、州政府の予算で、地元警察署の外観を日本風に改築する工事や、イグアッペ文協会館の増築も予定されている。
 また、記念事業の一つとして同委員会では百周年記念アルバム、記念誌の制作が検討されており、編纂委員会も発足した。2014年以降の刊行を目指している。
 同地の歴史を記した記念誌は、『レジストロ植民地の六十年』以降は作られていないという。アルバムには新年一年間の行事を収めた写真も掲載し、記念誌よりも先に刊行したい考えだ。
 「60年史以降の40年の歴史を写真で、街の発展の様子も合わせてたどれるようなアルバムにしたい」と、編集に携わるレジストロ在住の福澤一興さんは語る。
 また、記念誌についても資料を集めつつあるといい、「植民地に住んでいた人が、子供から大人までの各世代でどういう生活を送っていたのか。そういうことがわかるような冊子にできれば」と構想を膨らませている。
 イグアッペ植民地に住んでいた人やその子孫は、いまや各地に拡散していると考えられるため、福澤さんは「移住地の出身者や縁のある人に、思い出話を文章で寄せてほしい。写真も送ってもらいたい」と広く一般に協力を呼びかけている。
 詳しくは福澤さん(電話=13・8128・1091、Eメール=kazuoki-fukuzawa@uol.com.br)まで。郵送先はレジストロ文協(Associacao Cultural Nipo-Brasileira de Registro, A/ C Kazuoki Fukuzawa、住所=Rua Nakatsugawa, 165, Vila Tupy, CEP 11900-000, Registro, SP)。

イグアッペ植民地の始まり

 旅順丸が到着した1910年、青柳郁太郎が「東京シンジケート」代表としてサンパウロ州政府と交渉し、イグアッペ郡内に5万ヘクタールの州有地の無料払い下げを受け、日本人入植地を作る契約が交わされた。
 1913年5月にリベイラ河畔のレジストロに先発隊が入り、やや下流のジュポプラに11月までに30家族が入植。当時の首相にちなんで「桂植民地」と命名された。
 翌年、上流のレジストロに入植が始まり、上流のセッテ・バーラスにも入植地が広がった。このようにしてできたレジストロ、桂、セッテ・バーラスの分離した三つの植民地がイグアッペ郡内にあったため、イグアッペ植民地と呼ばれた。   【『移民40年史』(香山六郎著、1949年)、『レジストロ植民地の六十年』(レジストロ六十年史刊行委員会著、1978年)等を参照】

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