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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年1月9日付け

 世界の終わりがマヤ暦で預言された12月21日の次の日、日本の100円ショップ1号店(Rua Direita, 247 メトロ・セ駅から徒歩5分)が開店した。その日の朝10時に行ったら100メートルも列が出来ていた▼近くのショッピングで時間をつぶし、午後1時頃に再び戻ると、雨降りにも関わらず同じ状態だったので驚いた。列の前の客に聞けば「2、3時間待ち」というので、その日は諦めた▼26日に再挑戦するとすぐに入れた。いかにもデカセギ帰りの日系人と非日系配偶者が多く「懐かしがっている」様子が印象的だった。妻は「予想外に品揃えが薄い」とブツブツ言いつつもカゴ一杯買っていた。耐震用品や3月25日街にもっと安く売っている商品は不要だし、ノート1冊で6レアル(開店特別価格で)は高い。当地ならではの品揃えの再検討をお願いしたい▼それにしても100円ショップというビジネスの当地成功を予感させるには十分の開店状況だ。次はパウリスタ大通りに出店してほしい。今までの進出企業は「高くて良いものを富裕層に」という考え方が多すぎた。牛丼「すき家」しかり「ダイソー」しかり、最も消費人口が厚い「中の下」を市場にしたビジネスこそ成功の可能性が高いことを示している。新年にはユニクロ上陸との噂も聞く▼デフレ日本で徹底的に鍛えられた良品安値販売は、毎年値段が上がり続ける慢性インフレ体質に病むブラジルビジネスに、大ショックをもたらす可能性大だ。日本式ビジネスが当地で通用することを証明してほしい。——世界の終わりが予言された日の翌日、当地では〃新しいビジネス〃が始まった?!(深)

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