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「日本は没落と苦悩に喘ぐ国となるのか—否、若者がいる」=フォーリン・プレスセンター理事長 赤阪清隆=第7回=求められるのは人材力=リスク恐れず世界へ出よ

ニッケイ新聞 2013年1月12日付け

 今日最後にお話ししたいことは、日本が決して「没落と苦悩」に喘ぐ国にならないために、皆さんのように若く元気な人たちが世界へ出て頑張っていただきたいという私の願いです。
 これまでに見た2050年のシミュレーションには、技術革新とイノベーションの果たす役割が欠如しています。日本の人口や経済にしても、過去の傾向が続くか、あるいは更に悪くなることを前提にしています。こうした前提は、皆さんの若い力で切り崩すことが出来ます。
 経団連の50年のシミュレーションは、環境変化に対応した新たな人材を育成せよとの提言を含んでいます。日本の長期的繁栄の根本的な鍵は人材力であり、若者が頑張ることの出来る環境整備が重要であると言います。抜本的なイノベーションを生み出す「個性」と「異端」の資質を備えた人材が必要ですし、不確実性が増大している現在、過去やパターンに捉われない「柔軟な発想」と「自ら考える力」、タフネスを持つ人材が求められていると言います。
 また、経団連は、日本人の留学機会の増大と留学生の更なる受け入れを提言しています。なぜなら、留学は「語学力向上のみならず、グローバル人材に必要な力を養う役割が大きい」からです。
 このように、タフな人材が求められています。若い人たちにはぜひこのようなチャレンジに挑戦してほしいと思います。
 日本青少年研究所が今年4月に発表した、日、米、中、韓の4カ国の計7千2百人の高校生を対象にした生活意識と留学に関する調査では、日本の若者についてあまり元気のある結果が出ていません。
 日本では、「自分はダメな人間だ」「自分の将来に不安を感じている」「人並みの生活が出来れば十分だ」といった項目での比率が他の3国に比べて際立って高い。また、日本の高校生は海外留学への関心が4カ国中最も低く、「留学したいと思わない」という日本の高校生が5割強にも上っています。その理由は、「自分の国が暮らしやすいから」「言葉の壁があるから」「外国で、一人で生活する自信が無いから」「面倒だから」が多く挙げられています。
 新入社員のグローバル意識にも内向き傾向が見られます。産業能率大学が新入社員を対象に行った調査では、「海外で働きたくない」というのが2001年度は3人に1人だったのが、2010年度には2人に1人に増えています。特に、新興国や発展途上国で働くことを希望する若者の割合は低いという結果が出ています。
 ですから、最近のワシントン・ポスト紙は、日本の若者は「リスクを避け、野心に欠け、安定と居心地の良さを最優先していると見られている」と報じています。
 私は、声を大にして若い人たちに言いたい。安定と居心地の良さだけを求める毎日を送り続けて、人生に何の価値があるのですか、と。若い時にリスクを避け、新しいことにチャレンジしないで、いつするというのですか? 人生はあまりにも短く、気が付くと秋風の吹く老人になっていますよ、と。(つづく)



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