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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年1月12日付け

 クロマグロ1本が1億5549万円。超が付く高値である。下北半島の大間産であり222キロ。東京の築地卸売市場での「初競り」でのことだが、計算が好きな御仁が算盤を弾いたところ1キロが70万円とかだそうな。あの横綱の白鵬なら恐らく3キロくらいはペロリだろうから—口中の舌も驚いて仕舞い、横綱に「あまり食べるな」と叫ぶに違いない▼尤も、「初競り」は「ご祝儀相場」と言い、バカ値が付く。昨年も5649万円がつき史上最高値だったが、今年はこれの3倍だから卸売市場に詰め掛けたプロらも仰天し、すごすごと帰ったのではあるまいか。競り落としたのは、すしチェーン「すしざんまい」を運営する喜代村の木村社長。早速—マグロを店に運び日本刀とそっくりな刃渡り150センチもありそうな「まぐろ切り包丁」で1億5千万円を捌き、大トロ一貫を398円で特売し、お客らは満面に笑みを浮かべての大喜び▼勿論、御一人さま一貫だけの制限が付いていたが、原価は一貫4万円から5万円につくそうだから—この値段は大安売りである。クロマグロは、マグロの王様であり、沖縄の沖と台湾を挟む海で春から夏にかけて産卵し、全長が3メートルにも達し400キロにもなる。その昔は、冷蔵庫もないために余り好まれなく、鮨のネタにもならなかったが、今や大人気となり東京の一流の鮨店なら大トロ一貫で1万円は覚悟した方がいい▼トロは美味い。取り分け大間産は脂の乗りがよく、赤身も味が深い。このため料亭でも格別の扱いだが、ここまでは行かなくても宮城県は塩釜の「シビ(マグロ)」の刺身での一盞が懐かしい。(遯)

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