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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年2月16日

 4年ほど前にアメリカのオバマ大統領がチェコの首都プラハで演説し「核兵器のない世界の実現」を提唱したのは、政策論としては正論であり—評価していい。だが、そんな夢のような平和な時代がやってくると見るのは真にもって危なっかしい。北朝鮮が、3回目の核実験をし「破壊力が強く、小型化に成功」と発表し、米を軸とした「核保有5カ国」の専横さを痛烈に批判している▼この核実験の数日前にはイランが「核兵器開発を今後も継続する」と、強硬な姿勢を崩してはいない。つまり、原爆や水爆の製造に熱心なことであり、これは「5大国」の意志に反する言動であり、世界の国々は、北朝鮮とイランに向け非難の眼差しを向ける。だが、こうした現実を直視すれば、オバマ大統領の提唱が実を結ぶ可能性は遠い彼方にあるとする▼インドとパキスタンも、既に核兵器を保有しているし、イスラエルも持っているとするのが、国際的な常識である。その昔は南アフリカも核兵器を所有していたが、1991年になってやっと放棄したの事実もあるし、ベラルーシーやカザフスタン、ウクライナもロシアに移譲と—あの驚異的な威力を持つ原爆についての動きは何とも目まぐるしい▼勿論、核拡散防止条約(NPT)があり190カ国が加盟し、原爆の広がりに歯止めを掛けてはいるが、これとても北朝鮮のように「脱退」すれば自由に核実験もでき、国際原子力機関(IAE)も、実効ある規制は難しい—のが、今の世界情勢と見ていい。(遯)

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