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ラーモス移住地=50周年に向け準備開始=独特の〃梨外交〃進める=式典上空を編隊飛行!?=ルーラ前大統領「今年の梨は?」


ニッケイ新聞 2013年4月16日

 「大統領でなくなったらもう梨は食べられないのかって、ルーラ前大統領から催促がありました」というのは南伯サンタカタリーナ州ラーモス移住地の関係者だ。同日伯文化協会が1月20日に開催した定期総会では、同地初の二世で、しかも女性の本多泉美さんが会長に選ばれた。彼女が陣頭指揮をとり、独特の〃梨外交〃を繰り広げながら、来年4月12月に予定されている創立50周年式典に向けて準備を着々と進めている。

 例年通り各方面に梨を贈ろうかという話は、年頭から役員会で持ち上がっていた。しかし、同地「さくら祭り」への州助成金が下りなかったこともあり、「今年は見送ろうか」との話が出たほど同地文協は懐具合が寂しかったという。
 1月の定期総会で役員が一新し、10人中5人が二世女性、2人が二世男性、3人のみが古参一世となった。ポ語中心の会議で議論が活発化したという。3月4日の役員会で古参一世から「今年も梨の贈与」が再提案された。「目に見える贈った効果」を求める二世陣と古参らとの議論となったが、「今までの人間関係を大切にする」との観点から合意され、今年も贈与することになった。
 その翌日、偶然にも空軍の斉藤準一総司令官から同移住地の小川直樹さん(故小川和巳さんの甥)に電話があり、その際に今年も梨を贈ることを伝えると、総司令官は大変喜んだという。
 同総司令官を始め、三輪昭大使、地元選出のオノフレ・サント・アゴスチーニ下議らに贈る話をしているとき、実はルーラ前大統領の関係者からも、冒頭のような〃催促〃があったことも明かされたという。まさに〃梨外交〃の面目躍如だ。
 文協分に加え、元会長、小川直樹さん、小川和郎さん(和巳氏長男)らが個人的に協力し、計55箱分を贈った。3月23日にクリチバーノス飛行場で空軍機に渡すと、その晩さっそく総司令官から直々に「美味しかった」とのお礼の電話が直樹さん宅にあった。
 総司令官から連邦政府の誰に渡ったか定かではないが、「ジウマ大統領や防衛大臣、もちろんルーラ前大統領にも手渡されたことでしょう」と同地では期待している。
 来年、移住地開設50周年を迎えるにあたり、同文協は4月12日に式典を予定している。すでに斉藤空軍大将には「その時に総司令官であってもなくても」と出席を依頼しているとか。
 同地域の週刊紙ア・セマーナの記事によれば、オノフレ下議は空軍機の編隊飛行を来年4月の記念式典でするように正式に要請をしている。もし実現すれば、地方の移住地とすれば画期的な催しとなるだろう。

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