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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2013年5月7日

 ある日の夜、スーパーからの帰り道に電話していたら、突然後ろから携帯電話をもぎ取られた。振り向くと一目散に走る少年。重い買い物袋を抱え、車にクラクションを鳴らされながら、歩いていた子供の群れに「捕まえて!」と叫びつつ激走したが——見失った。
 立ち尽くしていたら「どうしたの?」と先ほどの子供。「ジャ・エーラだね」と言いながら消えたその20秒。走って戻ってきて、失われた携帯を差し出した。「夜に電話しながら歩いてたら危ないよ。気をつけて」。目が点になった。
 おそらく彼らも一味だったはずだ。しかし盗んだ携帯に最新機能がないと知り、哀れな持ち主に返してやることにしたのだろう。—当地に住んで通算3年。一度も危険な目に遭ったことがないのが自慢だったが、実にブラジルらしい洗礼を今さら受け、油断は禁物だと言い聞かせた。(詩)

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