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UPK=観光省に多額の借財か=百周年支援12万レに利子=今年判明、山尾会長が奔走=「首都訪問し調整する」

ニッケイ新聞 2013年6月13日

 サンパウロ州選抜カラオケ大会(パウリストン)20周年を来年に控え、州政府に資金援助を願い出たパウリスタ・カラオケ連合(山尾俊雄会長)に対し、「連邦政府に借財がある団体には資金援助はできない」との通達を唐突に受けたという。同連合は百周年の08年、同大会開催にあたり、観光省から20万レアルの援助を受け、翌年報告書を提出した。この4月に届いた同通達により、観光省からの支援額のおよそ6割をしめる約12万2千レが借金扱いとなっており、しかも支払い日からの利子を加算され、昨年5月の時点で約18万レにも膨れ上がっていたことが判明した。山尾会長は16日に会議を開き事態の周知を図るとともに、観光省を訪問するため日程を調整中だ。

 百周年時のパウリストンはアニェンビー会場で盛大に行ったため、総予算51万7500レのうち、20万レを観光省が支援した形になった。
 当時会長だった結城ルイス氏によれば、「大会後は書類作成業者に依頼し、支援金の使用内訳(20万レ分)を記録した報告書を作って提出した」ため、それで円満に終わったと思っていたようだ。
 しかし今年の4月15日、州政府から山尾会長のもとに、約12万2千レの観光省への借金滞納を理由に資金援助を不可とする通達が届いた。この借金を返済しない限り、連合は州からも資金援助を受けられない。
 晴天の霹靂に見えた同通達だったが、よく調べてみると、実はそれ以前に観光省から資金の返済を求める2通の文書が届いていたことが分かった。ともに観光省からのもので1通目は11年6月、2通目は12年7月に送付されていたが、両文書は会長の手元には届かず、なぜか同業者の所にあったため、連合側の把握が遅れたという。
 山尾氏の会長就任は10年5月。08年当時から大会運営に携わっていたが、「なぜこんなことになったか分からない」と戸惑いを見せる。役員や秘書、同業者とも話し合ったが、何年も前のことであり、今から詳しい事情を把握するのは困難だという。
 しかしこの間も利子は着々と加算されている。同会長は「今では25万レくらいになっているはず」と厳しい数字をはじき出す。一文化団体にとっては巨額だ。
 同会長は、同業者とともに観光省を訪ね、事態の解決を図る方針だ。「でも、どうしても払わないといけないのなら、どうにかして払う。そうでないと、日本人として恥になる」との決意を見せた。
 なお来年の記念大会は、規模を縮小して開催する予定だという。

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