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サ・アンドレ市議会=『移民祭』で105年祝う=議長、市議ら百人が集い=原田、中野さんを表彰=福嶌総領事も駆けつける

ニッケイ新聞 2013年6月14日

 サンパウロ州サント・アンドレ市議会は12日、日本移民105周年を祝う『移民祭』を同市議会場で開き、サ・アンドレ日系連合会(宮岡康雄会長)から推薦された原田美知恵(71、二世)、中野霞さん(79、同)の2人を表彰した。会場には、複数の市議など関係者を含めた100人以上が駆けつけた。市議会議長を務めるドニゼッチ・ペレイラ氏は「20年近く続く催しに、初めて議長として臨めたことを嬉しく、誇りに思う。これまで大きな貢献をしてきた日系団体は市にとって非常に重要」と祝福した。

 両国家、同市歌の斉唱の後、式典のまとめ役を務めるアイルトン・リマ市議が挨拶に立ち、日本移民の歴史や農業分野でのブラジルへの貢献などが説明された。受賞者の2人には、宮岡会長から記念プラッカと花束が手渡された。
 「推薦の話を聞いた時はびっくりした。夢見たい」と話す原田さんは、花柳流名取としてペドローゾ、ABCの両文協、西本願寺サ・アンドレ分院、自身の主宰する舞踊グループ「竜富貴会」などで30年に渡り、60人以上に日本舞踊を指導してきた。
 式典の終わりには、弟子による演舞が披露された。20年以上指導を受けるという梅津幸子さん(67、二世)は「指導は厳しいけれど、本当に優しい先生。これまでの貢献を考えれば、表彰されるのは当然」とほかの弟子らとともに、興奮した面持ちで語った。
 1951年に同市に入ったという中野さんは、長男がABC文協日本語学校に入学した54年から約60年に渡って婦人部で活躍。会計、副会長などを歴任し、現在通産3期目の婦人会長を務める。老人会でも副会長として、会の慰安旅行の手配を一手に引き受けるなど、現役として文協に貢献する。
 「家族もお世話になっている文協には、強い愛情を持っている。賞をもらったからにはまだまだ頑張っていきたい。90歳まで現役でいるのが目標」と朗らかに話した。
 来賓として出席した福嶌教輝総領事は「市と文協が強く結びついた式典が毎年開催されているのは驚くべきこと。日系団体のブラジルへの貢献が認められていることは本当に喜ばしい」と感想を語った。
 式典後には、ABC文協に会場を移し、約240人が出席し、祝賀会が開かれた。
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 1994年に、サ・アンドレ軍部で大尉を務めていたミツザワ・セイイチ氏が「日系人に関わる行事を市で」と市議会に対し提案、当時同市議を務めていたマルシオ・ペレイラ氏がこれを引き受け、同年中に市の法律として開催されることが決まった。加盟団体への功労者として、毎年2人ずつが日系連合会から推薦され、表彰を受けている。今回で20回目。

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