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ピラール・ド・スール文協青年会「青春組」=休止状態から60会員へ=文協式典に積極的に参加=「自身の成長と文化継承を」

ニッケイ新聞 2013年6月26日

 ピラール・ド・スール文化体育協会(南満会長)の青年会「青春組」は、一昨年の活動再開から順調に会員数を増やし、同文協の各種行事でも活躍を見せる。今月9日に開かれた文協創立60周年記念式典にも40人以上が参加、運営手伝いから余興への出演まで、積極的に参画した。青年会長を務める森岡田紋さん(23、三世)は「自身の成長と日本文化の継承につながる。そんな会づくりを目指したい」と意欲を見せる。

 「どうぞこちらです」「ご案内します」。駐車場や会場入り口などで聞こえてくる元気な声は若者のものが目立つ。日ポ両語で進められる司会も4人が分担して務めるなど、式典運営の多くの場面で青年会メンバーの活躍が際立った。
 元々あった青年会は、デカセギ増加の影響を受け、90年代後半から約15年の休止を強いられた。ところが、2011年に活動を再開すると、1年半あまりで60人以上が入会する大所帯にまで成長した。メンバーの多くは同文協日本語学校の卒業生だ。
 60周年を目前に控えた一昨年、次世代の日本文化の継承について危機感を持った一部の父兄が、文協の会議に再発足を提案したことがきっかけ。その子弟らが中心になり、「青春組」として同年9月に正式に活動が再開された。立ち上げメンバーには、地元在住の25人以上の若者が集まった。年齢層は、日本語学校を卒業したばかりの10代後半が最も多かったという。
 「みんな、やっぱり日本文化が好き。文協と関わっていける場所を探していたんだと思います」と森岡会長は述懐する。それは地元ピラールに残った人だけではない。事実、現在所属するメンバーのうち半分はサンパウロ市を始めとする他地域の高校や大学に通っている。
 「会の目標は、ただ文協のお手伝いをするだけではなく、日本文化を通じて自分を高めること」と熱意を見せる鐙野獅珠雄さん(17、三世)も、市外で暮らす大学生の一人。式典では流暢な日本語で司会を務めた。
 今月1日には森岡さんが中心になり、同文協でコロニア・ピニャール、ピエダーデ、イタペチニンガの各文協など6団体の青年会を招いた交流会を開き、80人以上が親睦を深めた。それぞれの代表者による相談の場はフェイスブック。今後も半年に一度ペースでの開催を目指すという。

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