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特別展『ブラジルの医療に献身した日本たち』=神戸・移民ミュージアムで開催中=黒田理事「功績紹介したかった」

ニッケイ新聞 2013年7月16日

 【神戸市発=池田泰久通信員】ブラジル日本移民百周年を記念して2009年に旧神戸移住センターを改修して開館した「神戸市立海外移住と文化の交流センター」内の移民ミュージアムで、特別展「ブラジルの医療に献身した日本たち」(財団法人日伯協会、神戸市)が開かれている。同市民はじめ、日本各地や海外から日本人移民に関心や縁のある人たちが訪れ、評判を集めている。7月28日まで。

 日伯協会常任理事で、同ミュージアムの展示を担当する黒田公男さん(82、神戸市在住)は、「ブラジル各地にちらばった無医村で、日本人移住者から大変感謝されていた方々の功績を紹介したかった」と話す。
 特別展は、ブラジル全土の日系移住地をくまなく巡回診療した細江静男や、その遺言を守って巡回診療に尽くした森口幸雄、ブラジル初の日本人医師として移民から「赤ひげ先生」と慕われた予防医学の権威、高岡専太郎、ブラジルでも黄熱病等の研究に業績を残した野口英世等の日本人医師を中心に紹介。
マラリアに悩まされた初期移民の辛苦やサンパウロ日伯援護協会の施設、日伯両国の医療協力プロジェクトについても、当時の写真や新聞、書籍等を通じて解説している。
 中でも、高岡医師は、現サンタクルス病院の起源「同仁会」を組織したほか、1937年には体の構造、ブラジルの病気、治療法や予防法をまとめた『ブラジルの家庭医書』を著して、当時の移民から大変重宝されたことでも知られる。
 ボランティアの出石美知子さん(同市在住)は高岡家の親族にあたる押切宗平さん(秋田県在住)がまとめた『高岡専太郎』(無明舎出版)を読んで以来、〃高岡さんのファン〃。「無骨な人柄ながらも皆の力になりたいとの一心だった方。多くの方にその功績を知ってもらいたい」と力を込める。
 同ミュージアムでは、「農業」等をテーマにこれまで年に2、3回、特別展を開催。黒田さんによると、今年10月ごろからは、ブラジルの食文化に影響を与えた日本食をテーマに展示を考えているという。営業時間は午前10時から午後5時。月曜休館、入場無料。JR元町駅東口から徒歩15分。

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