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全伯吟剣詩舞道大会=約50人が歌い、舞う=担い手は非日系、マルセロさんに聞く

ニッケイ新聞 2013年9月11日

 ブラジル吟剣詩舞道連合会(住田定男会長)が7日、年に1度の発表会『第41回全伯吟剣詩舞道大会』を北海道協会で開催した。祥こう(水ヘンに工)流、岳風会、ブラジル国誠流、心彰流、心豊流、マリンガ清流会から約50人が出場し、一年間の練習の成果を披露した。出演者が高齢化し会員が減少する中、剣舞を有する唯一の流派・祥こう流からは多数の非日系の若者たちが出演し、日本人さながらの舞を披露した。同流派の森下祥星理事長(本名=和代、72、熊本)は、「ブラジルにも吟剣詩舞を根付かせることが宗家の願い。彼らが伝えていってくれれば」と、同連合会の想いを代弁するように語った。

 背が高く、恰幅のよい身体。袴姿に貫禄がにじむマルセロ楓さん(45、本名=マルセロ・アーフェルド・ペレイラ・シルバ)が森下理事長の吟にあわせて剣舞を舞うと、会場からは温かい拍手がとんだ。
 同連合創立から30余年。森下理事長は「昔は流派も10くらいあったが、後継ぎが見つからないまま減ってしまった」と語る。大会開催数も年に2回から1回へ、今は会員獲得が同連合会の課題だ。
 そんななか、祥こう流には7人もの非日系人が参加する。森下理事長によれば、皆、剣道や合気道から剣舞を始めたメンバーで会員歴も10年以上になるという。「2、30年前はもっと多かった。段々辞め、今のメンバーが残った」と明かす。
 同理事長と競演したマルセロさんは、1987年に剣道と居合い道を始め、指導者だったツキモト・アキラさんから初めて剣舞を教わった。
 「詩には心に沁みるような深みがある。剣舞は単なる技術じゃなく、人生をよりよいものにしてくれる哲学だ」と熱っぽく語る。
 逝去したツキモト氏の後を引き継ぎ、今は福島県人会で20代の若者30人を指導する。「若い子には理解しにくい部分もあるが、これからも普及を続けたい。日、非日系関係なく継承していきたい」と普及への意気込みを見せた。
 終日、のどかな雰囲気に包まれた会場では、会員らが1年かけて練習した詩吟や詩舞、剣舞を発表、大正琴のグループ「琴聖会」も友情出演し、舞台に花を添えた。
 88歳にしてキレのある動きで「山行」を舞った沢田静江(芸名・祥静、東京)さんは、「ブラジルに来てから詩吟を習った。踊りができ幸せ」と快活に語った。
 「家にいるとボケちゃうから」と二人で鑑賞に訪れた安田智子さん(74、愛媛)と野村康さん(87、北海道)は「どの演目もとてもよかった」と声を揃えた。

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