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日系3選手がピッチで躍動!=フットサル国際大会で日伯戦=ブラジルが7対2と完勝

ニッケイ新聞 2013年10月24日

 【マリンガ発=酒井大二郎記者】ブラジルフットサル連盟の招待で8チームが参加し、22日からマリンガ市の体育館で始まった国際フットサル大会『グランプリ・デ・フットサル2013』の初日、日伯の代表チームの対戦が実現した。帰化選手を含め、両チーム計3人の日系人選手が出場した試合は、昨年のタイW杯の優勝チームであるブラジルが7対2の貫録勝ちを収めた。

 日本チームには、日系四世でパラナ州クリチバ育ちの逸見勝利ラファエル(21)とペルー系三世の森岡薫(34)の両選手(共に帰化人)がメンバー入り。ブラジル側には、シライシ・ダニエル選手(27、三世)が名を連ねた。
 初日の第3試合に行われた日伯戦には、超満員となる約4千人が駆けつけた。大歓声の中始まった試合は、ブラジルが高い技術と固い守備、正確なシュートを見せつけ、序盤から日本チームを圧倒。前半終了時点で6対1と大差がついた。後半開始とともに日本チームが攻撃に比重を置いた特殊な陣形に変更し、優勢となる時間も見られたものの1点を返すに留まり、最終スコア7対2でタイムアップを迎えた。
 日本代表の一員として初めて母国・ブラジルでプレーした逸見選手は、試合後の記者会見に出席し「家族や親戚に直接プレーを見てもらえる貴重な機会だっただけに、緊張感を持ちながらも非常に楽しみにしていた。ブラジルという最強の相手ではあっても、今回のような結果になってしまったのは残念」と肩を落としながらも、「明日以降の試合で良いプレーをするために、気持ちを切り替えていく」と前を向いた。
 2得点を挙げ、一人気を吐いた森岡選手も「同じ目線に立った試合は出来なかった」と完敗を認めていた。
 また、ブラジルの1点目をコーナーキックから演出するなど、大車輪の活躍を見せたシライシ選手は本紙のインタビューに対し、「日系人の血を引いていることは自分にとって大きな誇り。祖父は日本からここに来て、祖母は日本人の子としてブラジルで生まれた。今日、自分のルーツのある日本が非常に良い代表チームを持っていて、良く国を代表していることを知れたのはとても良かった」と試合の感想を感慨深げに語った。


逸見選手の家族も声援送る=マリンガ文協も全面協力

 会場がセレソンカラーの黄色で染まる中、日本を応援する日系人の姿も散見された。マリンガ在住の杉本スエキさん(70、二世)は「日本を応援する。決勝戦までのチケットを買っちゃったよ」と笑顔。試合後には「点差はついたけどよく頑張った。(スコアほどの)差はなかったんじゃないか。良いチームだと思う」と労い、感心した様子を見せていた。
 逸見選手の家族も会場に駆けつけた。祖母の逸見ヒロミさん(74、二世)は「彼が小さい時、毎日練習場まで送り迎えしていたのを思い出すと懐かしい」と往時を振り返り、「私もブラジル人のことは『ガイジン』と教えられて育った世代。孫が日本代表としてプレーすることは誇らしい。今日の結果は残念だったけど、彼はもっと出来るはず」と期待を込めた。
 地元マリンガ文協も、日本代表チームに会館の体育館を練習場として提供するなど、日本代表チームを全面的にバックアップした。通訳ボランティアの安永修道さん(62、三世)は「日本のセレソンが来るということで文協側も喜んで協力した。日本チームに肩入れする会員も多い」と笑顔で話していた。

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