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開催危ぶまれる日本祭=試算は赤字最大50万レ=悩む役員、決断は先送り=不明な議員割り当て予算

ニッケイ新聞 2013年10月26日

 【既報関連】日本祭の開催断念か—。開催なら大赤字覚悟という状況の中、開催が検討されてきた来年の『第17回日本祭』。連邦議員からの議員割当予算の見込みが不透明ということから、最大で約50万レアルの赤字を試算している。24日にあった県連代表者会議では、日本祭開催を断念する可能性も議論されたが、決断は先送りされた。

 前回の会議で、施設の基本使用料が90万レとさたことで、執行部から使用の断念が報告されていたイミグランテス展示場。再交渉の結果、58万レまで引き下げられたことで候補地として再浮上した。20万人規模のイベントを開催するにあたって、イミグランテス側も譲歩した格好だ。
 加えて、パビリオン、アリーナ建設費など、前回と同条件で試算した結果だが、見積もりで最大50万レの赤字を算出したことが報告された。
 議論の焦点となったのは、22万レを見込む議員割当予算だ。それを加えても約30万レの赤字は避けられない。今回の会議では開催の可否をとり、「割当金が22万レ集まれば開催」が21票、「開催見送り」が15票となった。
 ただし、一刻も早く開催か見送りかを決定する必要に迫られているため、割当金額確定の期日は25日とされ、不透明な金額、〃曖昧〃な返答であれば見送りという条件付きとなった。園田昭憲会長が安部順二連邦下議補佐官の宮原ジョルジ氏と電話交渉を行ったところ、「前向きに協力はしたい」といった返答に留まったという。
 しかし、執行部からは「確かに可能性は薄いが、簡単に決めることはできない」と協議を続けることとなった。
 会議では、開催予定日の7月4、5、6日はサッカーW杯ブラジル大会と日程が重なることから、スポンサー面、集客面で不利とする見方が強く、一部県人会からは出店を見合わせる動きも見られた。
 「今年は見送って、来年に向けた準備を早くから始めるべき」「時間がない中で焦っても良い結果はついてこない」「赤字であればやる必要がない」と否定的な意見の一方で、「第17回を行う意思を見せるべき」「見送りとなっても交渉、見積もりなどは続けることができる」「開催しなければ、次回からのスポンサー離れが不安だ」との声もあった。

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