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「夢は紅白出場と歌謡コンサート」=故郷に錦誓う山城美幸さん=昨年8月デビューの三世歌手=「応援してください!」

ニッケイ新聞 2013年12月10日

写真=着物姿が似合う山城カミーラさん(「京都浪漫坂」ジャケット写真)











 日本で昨年8月に「京都浪漫坂」でデビューした演歌歌手、山城カミーラ美幸さん(22)は、パラナ州クリチーバ市出身の日系三世だ。そろって歌好きな家族、日本での生活、デビューまでの道のり—。思わず応援したくなるような明るい人柄を持つカミーラさん本人にメールで取材した。

 父方の曽祖父母が1922年に幼かった祖父を連れて「かながわ丸」に乗って渡伯した。祖母は美空ひばりの大ファンで、父もカラオケ大会に多く出場した。
 寝つきの悪かったという乳児期には、童謡のビデオを流し、読み聞かせならぬ、音楽の〃聞き聞かせ〃だった。そんな影響からか言葉をしゃべる前の1歳から童謡「みかんの花咲く丘」を口ずさんでいたという驚きのエピソードも持つ。
 2、3歳のころにはもう初カラオケ大会に出場。日系人の先生の下、歌の勉強も始めた。日本語は話せなかったが、意味も分からず日本の歌を歌っていた。「そのころから『歌手になる!』って決心していました。大人になっても想いは変わらず、方法は全く分からなくてもとりあえず勉強しようと思って」。
 念願かなって08年10月に来日し、すぐに双葉外語学校(千葉)に通学し、コンビニでアルバイトも経験した。「日本とブラジルは位置だけでなく、本当にいろんな意味で真逆」というカミーラさん。祖母と暮らしていたこともあり、日本料理や文化には元々理解があった。
 「言葉が分からなかった時は本当に大変でした。なんせ顔は日本人ですから」と苦労を振り返る。「でも言葉を覚えたらおかげさまで特に何とも」とたくましい。歌唱レッスンは、たまたま近所の居酒屋でママをしていたプロ歌手の藤野綾さんに師事し、その後はマスターから作曲家の佐田みさきさんを紹介してもらい通った。
 デビュー曲は02年に佐田さんが作曲し、日本作曲家協会主催の「新しい日本の歌フェスティバル2002」でグランプリを受賞したもの。CD化の話が持ち上がり、カミーラさんに白羽の矢が立った。「いろんな意味でタイミングが良かった。私の夢を叶えてくれました」と感謝を示している。
 今後の目標は「ずばりNHK歌謡コンサートと紅白歌合戦に出ること。そしてキャンペーンで全国を回りたい」と心強い。「故郷ブラジルに錦を飾れるよう、たくさんテレビに出たい。ブラジルで色んな人に私の歌を知ってもらいたい。カラオケ大会でも私の曲を歌ってほしい。応援してください。いつか、自分の国の為に何かしたいです!」と力強いコメントを残した。

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