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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年12月14日

 師走を迎え今年も終わりが近づき、新しい午年への準備もしなければというときに日本の政界で大きな動きがあり、これで野党再編の動きが激しくなるの観測が広がっている。「一強多弱」が物語るように自民党が圧倒的な力を誇り、民主党や維新の会も野党としての存在を発揮する機会はゼロに近い。そんな野党の一つである「みんなの党」が結党4年で分裂し、江田前幹事長ら14人が離党し、新党を設立する方針を表明している▼衆参両院で35人の「みんなの党」にとっては40%もの党員が離党するのであり、渡邊喜美代表は激怒しているらしいけれども、この江田憲司氏の動きを止めるのは難しいのではないか。江田氏は差し当たり「新党」を旗揚げする方針だけれども、民主党の実力者である細野氏や維新の会の松野氏と勉強会を設立し100人規模にして野党再編を目指しているのは、もっと注目されていい▼もし、江田氏の統一会派が実現すれば、民主党を抜き自民党に次ぐ勢力となり、野党第1会派となり、国会での発言力も飛躍的に強くなる。民主党の現状は、旧社会党系列の議員で占められるようになり「第2社会党」の様相を呈しているのを見ても、江田氏らの統一会派への期待は膨らむばかりである▼尤も、渡邊代表は、離党を望む参議員13人が、比例代表選挙で当選しているので「離党は認めない」とし、むしろ「辞職するのが筋である」と語っており、江田前幹事長らの離党騒動も、このまま前進するかどうかは不透明な印象が濃いのも否定できない。(遯)

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