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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2014年1月14日

 江戸時代のエタ、ヒニンは一種の不可触賤民と言われるが、マラニョン州のサルネイ家はさながら不可触〃選〃民にみえる。ジウマ大統領も強いことを言えないPMDBの重鎮だ。そんなサルネイ家の娘ロゼアナ同州知事に対し、「まるでフランス革命時のマリー・アントワネットのようだ」との指摘があったのをエスタード紙で見て膝を叩いた▼州都サンルイスは、フランスの絶対君主ルイ13世(Luis XIII)の治世下に仏領植民地にされた同国と縁の深い場所だ。だから州都は「聖なるルイス」と名付けられた。1612年9月に最初のミサが行われたことにちなみ、昨年9月までの1年間、400年祭が盛大に祝われた▼政治評論家はみな「マラニョンにはドーノ(主人)がいる」と北東伯他州との違いを強調する。主のジョゼ・サルネイ氏は66年には同州知事になり、85年には大統領に登りつめた代表的権力者だ▼その娘が現知事で、ペドリニャス刑務所問題への連邦政府の介入や国際人権団体からの改善要求に否定の立場を続けると同時に、知事公邸用の約100万レアルの豪華食材(90キロの伊勢エビ、1・5トンのエビ含む)の入札を行うと発表して世間を驚かせた▼仏革命時の王妃マリー・アントワネットは、民衆が食糧難に陥った時、「パンがなければケーキを食べれば良いじゃない」と言ったとの説がある。今回の豪華食材入札はそれに近い感覚で受け取られた▼それでも10月の選挙では、サルネイ家が推す「〃選〃民」が当選する可能性が強いとか。民主主義の根幹システム「選挙」は、選ぶ側のレベルこそが最大の問題だと思い知らされた。(深)

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