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すすむ在日伯人の高齢化=しのび寄る老後の不安=教育、雇用より関心高く

ニッケイ新聞 2014年2月4日
忍び寄る老後の不安(イメージ)

忍び寄る老後の不安(イメージ)

昨年法務省が発表した在留外国人統計によれば、在日ブラジル人数は減少しているが、永住資格をもった人の割合は07年末に比べて倍増し、在留者の定住志向が高まっている。さらに、在留者数を年齢別にみていくと、65歳以上の高齢者数が増加しており、長年日本で生産活動に携わってきた人たちが高齢化し、定住傾向にあると推測される。高齢化対策は課題だが、在日ブラジル人社会でも同様のようだ。

年齢別の人口統計で、65歳以上の高齢者の人口とその割合は2000年に0・43%(1115人)だったが、12年の統計では、2・22%(4244人)に増えた。一方、生産人口と言われる15歳~64歳の割合は、2000年84・39%(21万4696人)だったのが、12年は、79・81%(15万2104人)と減少傾向にある。

静岡県が09年に県内の外国人(国別でブラジル人が一位)に行ったアンケートでは、これまで主な関心事だった教育や雇用問題を上回り、老後の生活について「不安」「とても不安」と回答した人が6割に達している。

「日系老人ホーム開設を」=NPO3団体が呼びかけ

 そうしたなか、『在日ブラジル人のための特別養護老人ホーム』の開設を、「ABCジャパン」(橋本秀吉代表)、「ブラジル友の会」(金城エジウソン)、「交流ネット」(舩津丸謙一代表)の3NPO団体が呼びかけている。

愛知県一宮市在住の舩津丸代表は本紙の電話取材に、「すでに場所提供を申し出てくれている人がおり、具体的な資金や運営方法を話し合っている」と話す。

一般の施設に入居を希望した親の言葉の問題で入所を断られたケースもあったという。相談を受けても、解決まで至ることは困難。そうした状況を受け、本構想ができたようだ。

「長年生活し、学び成長した子どもたちの生活拠点が日本になってしまうと、そのまま定住しようと考える人が少なからずおり、彼らの高齢化に伴い、必要性が高まっている」(舩津丸代表)

デカセギの動きが始まって約30年。在日ブラジル人社会も過渡期を迎えているようだ。

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