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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2014年3月27日

 日本では独自の「カワイイ文化」の一つの到達点として、女性がお嬢様風の洋服やカールした髪、付けまつげで可愛さを追求するロリータ・ファッションが流行っており、一説には100万人も愛好者がいるという▼当地でも10年ほど前から愛好者が増えだした。今では約1万人もおり、しかも大半が非日系人だとか。昨月は日本風ファッションの普及を目指す「J―ファッション協会」が設立され勢いがつきそうだ―と思っていたが、設立趣旨をよく読むと「イジメと戦う」との気になる一文があった▼その意図を佐藤クリスチアーニ会長に尋ねると、「昔はリベルダーデ辺りにもロリータ・ファッションの子が歩いていた。でもブラジルではこういう服装は幼稚と思われて、物を投げつけられたり陰口をたたかれたりする」という。特に教育水準の低い層がこうした心無い行為に走りがちとか▼一方、当地の女性は幼い時から過剰なまでに色気を追求することが成熟の証とする、過剰露出文化があるように見える。全身を奥ゆかしく包む「隠す美」で「幼児風」のロリータ・ファッションとはある意味、対極の女性美のあり方かもしれない▼それもあって、理解できない異物として排除しようとするのか。この種の行為は「寛容で懐の深い国ブラジル」といえど、他国と変わりない。文化の輸入に現地化はつきものと考えれば、胸元の一つでも開けて〃現地化〃するという手もある。でも、そうすると文化の本質が損なわれると危惧する声も。カワイイ文化ならではの方法で、どう差別を乗り越えて普及するか―協会の手腕が試されそうだ。(阿)

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