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国道が水没し一時通行不能になったポルト・ベーリョ近郊(2月25日撮影、Foto: Marcos Freire/Decom)
国道が水没し一時通行不能になったポルト・ベーリョ近郊(2月25日撮影、Foto: Marcos Freire/Decom)

アマゾン大水害=「移住60年間で初めて」=キナリ・グヮポレ移住地等に悪影響=物価2倍、売上7割減に=最悪の時期は脱したか

ニッケイ新聞 2014年4月23日

 ブラジル北部は今年、歴史的な水害に遭遇している。ロンドニア州を流れるマデイラ川の水位は一時期、平時より20メートル高という異常事態にまでなった。同州都ポルト・ベーリョからアクレ州都リオ・ブランコを結ぶ国道364号は、マデイラ川沿いの各地で浸水し、通行規制により物品の往来に難を抱えている。ポルト・ベーリョ近郊の旧グヮポレ(トレーゼ・デ・セテンブロ)、リオ・ブランコから南へ約30キロに位置するキナリの両移住地周辺ではどんな被害が出ているのか。在住者に電話取材で聞いてみた。

 1954年に30家族186人が入植した旧グヮポレ。幼少期に移住して住み続ける門脇道雄さん(65、山形)は水位に関し、「高くて15メートルまで。20メートルは移住して60年来初めて」と驚きを隠さない。「ロンドニア州の雨量自体は例年に比べむしろ少なかったが、マデイラ川の源流地域(麻州、ペルー、ボリビア)全てで雨量が多かった」と増水の一因を語った。

 同移住地の生活への直接の被害はないが、自身の仕事には影響が出ている。乳製品の卸売りを行っている道雄さんは、「州内の取引先店舗が水没し、売り上げは約20%減。回復まで3、4カ月はかかるだろう」と頭を悩ましている。

 03年からリオ・ブランコ在住という道雄さんの弟、門脇法雄さん(63、同)も卸売業を営む。アクレ州ではより被害が深刻で、「2月中旬から364号が不通となり、商品の入荷が止まった。3月は6、70%の売り上げ減」と悲惨な状況を語った。

 命綱の国道は一時、最高で1・7メートルの浸水を記録し、陸の孤島と化した。法雄さんによれば「最近になって7、80センチまで下がった。普段250台が走るところ、4月中旬になって50台ほどの制限つきで通行可」となっているようだ。「まだ川の水位は19メートル弱(16日の取材時)で安心できないが、道路事情は徐々に回復傾向にある」と現状を語った。

 59年に13家族が入植し、現在もキナリに暮らす浜口博文さん(61、熊本)は同地でスーパーを経営している。「台数制限つきで交通が再開した最近まで、40日間ほど商品がほぼない状態が続いた」と厳しい状況にさらされた。特に新鮮な野菜、嗜好品などは入荷困難と言い、「今も『1人2個まで』と制限販売している。農作物の価格は最大2倍まで高騰したのでは」と悪影響をこうむった。

 日常生活に関して「不足した食料はもちろんあるが、事前に備えた分で賄っている。ガソリンを買い求め長い行列も出来た。25年のスーパー経営、55年の生活で初めてのこと」と、驚きと落胆を見せた。

 燃料はペルーからの空輸も開始された。「ガスなど燃料さえない時期が続いたがピークは過ぎた。これからは回復に向かうと思う」と最悪の時期は脱した様子だ。

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