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商議所昼食会=BNDES理事が講演=「日伯関係は新時代へ」

講演を行ったフェラーズ氏

講演を行ったフェラーズ氏

ブラジル日本商工会議所(藤井晋介会頭)の「4月定例昼食会」が11日、サンパウロ市内のホテルで行われた。約170人の来場者を前に、BNDES(社会経済開発銀行)のジョアン・カルロス・フェラーズ理事が日伯間の経済関係について講話を行った。
同理事はブラジル市場に関し「世界から脆弱と見られる一面もある」としながらも、「購買能力が高く市場に底力がある。通貨危機などに備える外貨準備高も高い」と評価。
「下水道が整備され、パソコン普及率も向上した。近年になって生活水準が飛躍的に上がり、中流階級層が増加した」などの変化を並べ、「安定した生活を望む国民意思の現れか、正規雇用が多く先進国に比べ失業率が低い」と強みを挙げた。
これまでの日伯経済関係については、第1段階を「1910―50年の農業期」、第2段階を「50―70年の工業期」と捉え、09年以降は「自動車、造船業界で顕著に見られるように、ブラジル市場を求める日本企業の進出や投資を強化する時期に移行した」と説明した。
今後の課題として、日本側には「アジア以外に拠点を持つこと」「高水準技術を外国でより生かすこと」を挙げ、ブラジル側には「インフレ抑制」「農産物、エネルギー資源の輸出増」に加え、「教育環境を改善し、言語能力の向上に全力を注ぐべき」と強調した。
今月着任した梅田邦夫新大使も特別参加し、日本企業の海外進出支援を約束。「経済関係がより深まるよう領事館とも密に連携したい」と述べ、「日本経済の再興」「日伯修好通商条約締結120年」「総理の中南米訪問実現」をキーワードに挙げた。

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