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■ひとマチ点描■サッカーと共に歩む人生

140701-inukai-kojima 4年間働いて金をためては、世界各地で開かれるW杯観戦に旅立つ。ドイツ、南ア、そしてブラジルへ。「多少不安はあるけど、ブラジルでのW杯は一生に一度しかないから」。そう語る犬飼良臣さん(43、岡山)の人生は日韓大会(02年)以来12年間、サッカーを中心に回っている。
 高校からサッカーを始め、今もフットサルを週一回続けている。W杯観戦のため、今年の3月末で中学校の非常勤講師を辞めた際は「『本当にやめるの?』って、真顔で何度も保護者から尋ねられました」と言う。傍から見ればかなり酔狂な生き方かもしれない。でも本人はいたって真剣だ。
 サンパウロ市の宮城県人会館に投宿し、各地からやってきた日本人との交流を楽しんだ。「日系社会があるとは知っていたけど、日本にいるような気分だった」と振り返る。
 道中困っていると、言葉も分からない彼に手を差し伸べるブラジル人の温かさに触れ、「治安が悪い」との報道からは見えてこない当地の本当の姿を肌身で感じた。
 日本代表の決勝まで観戦できるチケットを購入したが、惜しくも敗れたため帰国を決めたが、「機会があればまた来たい」という。サッカーが繋いだ縁がまた一つ増えたようだ。 (阿)

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