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記事広告=日系立候補者討論会についての全体評価=総合コーディネーター原田 清(法律家)

 去る9月20日ブラジル日本文化福祉協会小講堂で行われた第3回目の討論会は、大勢の聴者が出席したこと、ならびに質問の数や質から、予想以上の成果を収めたといえる。討論者の何れもブラジル社会の深刻な問題に精通しており、議員たちに求められる活動にたいする意識を示した。
 今回は、日系社会の代表的団体である日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)と外務省研修生OB会(外塚ジョルジ会長)の共催で行われたが、理由を届けず欠席した大田慶子議員を除き、招待された議員は出席して活躍し、議員に相応しい条件を備えている印象を与えた。
 第1回目のときにまかれた種が発芽して生育していることが明らかで、日系社会一般においても連邦・州・市会議員の選挙にたいする感心が高まっている。一世の方も何人か現れて多様性に富むブラジル社会の様々な問題に関する議論に耳を傾けていたことは印象的であった。
 日系社会は、人口180万人を超えると言われているが、ブラジルの発展に貢献してきて今はブラジル社会の一部となっており、各議会において日本文化の後継者として活躍すべき議員候補者の選定を目的としたこのような討論会の開催は大きな意義がある。
 意見を異にする人もいるかもしれないが、議員候補者をはじめ、日系社会の大多数、新聞記者やその他世論の調査及び報道に携わっている者は討論会の実施に賛成である。
 広い視野で社会状況を把握している者にとっては、以上のような討論会は差別的でも非民主的でもなく、平等性に欠けるものでもない。議会の議員は、一般社会の代表として多文化的多人種的国家であるブラジルの建設及び発展に努める使命を負うものである。
 だが、そのことを理解せずに日系議員候補者の質評価が、日系人のためのみに活動する議員を見出す手段と批判することは単純性に極まり、喜劇的である。誠実、忠実、規律、責任感、上位尊重、勤勉、教育熱心、恥などの価値を持つ人格を議会に送込むことはブラジルのためであり、ブラジルが世界大国となる努力への貢献である。
 日系は、イタリア系、ドイツ系と並んで多様なブラジルの一員として日本文化を継承して国づくりに活躍すべきである。

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