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さよ子さんを囲んで
さよ子さんを囲んで

角田さよ子さん百寿祝う=夫婦で長年下宿屋を経営=客家センターに120人集まる

 角田さよ子さん(旧姓赤木)の100歳の祝賀会が10日夜、聖市の客家センターで行われ、親族や関係者約120人が駆けつけ、盛大に祝った。甥の久保ルシオさん(二世)の司会で午後7時に開会、全員で誕生日の歌を合唱、100歳の文字の蝋燭が、さよ子さんと近親者によって吹き消されると、会場は歓喜に沸いた。
 「これまで本当にありがとう。ママイのことが大好き。みんなが愛している」。次女の晴美さん(75、二世)のそんなコメントに、さよ子さんは満面の笑みを浮かべた。さよ子さんの誕生から4世代にわたる親族のスライドショーが上映されると、時折目に涙を浮かべていた。
 米国ブロードウェイから来伯した設定で、甥の林レウィス勁さん、妻の京子さんがド派手な衣装で登場。往年の人気バンドABBAのダンシングクイーンを披露すると、会場から喝采が沸き、さよ子さんも手拍子で盛り上げた。
 さよ子さんは1915年、日本占領下の満州で9人兄妹の長女として生まれた。父は満州鉄道の駅長で、裕福な家庭だったという。28年頃に帰国して4年ほどを愛知県で過ごし、33年に渡伯した。
 両親に連れられ、チエテ移住地に入植した。女学校卒業のさよ子さんはアラサツーバで日本語教師として子供たちの教育に奔走。そこで角田良登さんと出会って結婚。36年に出聖し、下宿屋をはじめた。
 元下宿生には元大臣の植木茂彬さんほか、日系人初の元聖州高裁判事の渡部和夫さんらもいる。
 和歌山県人会会長の木原好規さんも元下宿生で角田夫妻のファンの1人。来伯後2年を角田夫妻宅で過ごした。
 「角田さんご夫妻は親しみを越えた家族のような格別の存在。特にさよ子さんの手料理がとにかくうまかった。未だにその味が忘れられない」と感慨深い表情で語った。
 「いつも仲がよかった。けんかしているのを一度も見たことがない」と次女の晴美さん。巷でも有名なオシドリ夫婦だった。その魅力からか、いつも家には人が溢れており、周囲の人に愛されていたという。
 夫の良登さんは麻雀が好きで、週末は家に知人を呼んで夜通し楽しんだ。そんなとき、料理やお菓子、カフェを出してもてなしていたのはさよ子さんだったという。
 「愚痴を言ったり、怒っているのを見たことがない」さよ子さんを語る人は皆そう口を揃える。穏やかで幸せそうなさよ子さんの表情からは、長寿の秘訣の一端が伺われた。

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