15日のジウマ大統領退陣要求デモ――報道に携わる者として現地に行くべきか逡巡していた。現場の空気を体験しておくべきではないか、と。
しかし数々の抗議デモが時に暴徒化し、混乱に乗じて破壊活動をする輩が現われたり、制圧のために軍警はゴム弾、催涙ガス弾を使う可能性があることを知っていたため、少々怖さを感じ、結局行かなかった。
夕刻、リベルダーデ大通りにいたら、サッカーの応援団かと見紛うような格好をした、抗議行動を終えた人々が、笑みさえ浮かべながら歩いてきたのを見て、「お祭り騒ぎと勘違いしていないか」と、ふと思った。
有権者がすべき最も重要なことは、選挙時のイメージ戦略に乗せられず、正しい候補に投票をすることだ。そのためには、政治家が何をしているかを普段から監視する必要がある。デモを「お祭り騒ぎ」で終わらせないためには、むしろこれからが大事だ。(規)