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運動会=サン・ローレンソ・ダ・セーラ 丹生登

 近年の日系団体の集まりに若い人達の参加が少なく、特に県人会の集まりなどには高齢者が殆んどで、如何にして若者を集めるかが各団体の課題のようです。戦前は団体の中心会館が寄り所で、 戦後も私が移住してきた当時1950年代後半期から60年代頃は、日曜には会館に行って何かの催しに参加するか、出来ずとも寄り逢う所で見聞を高めていたのが思いだされます。
 あれから半世紀、テレビやパソコン。フェースブック、スマートフォン等で、何も会館まで行かずとも、もっと安易に 敏速に豊富に情報が得られる様になっており、集会所への参集が減ってるのではと思われます。しかし、催しよっては若年者が参加できる方策があると感じて居ります。
 最近、各地で開催されている運動会に招待されて参加してますが、年配者より子供や青年が多く、楽しみ賑ってるのを感じます。ただ、行事の進行がポルトガル語で説明されている所が多い様です。
 一世主導の頃は自分の意思を十分に表現出来ないため、日語で説明していたと思われますが、新移住者も途絶えて半世紀。ほとんどが老齢期で、主流は二、三世の時代。日系団体主催の催しでもここは合衆国。非日系人も多く参加して楽しで居ります。したがって、行事の進行が通常語のポルトガルで説明されるのは自然現象でしょう。
 行事を通して、我々のより良い生活習慣を子孫に伝承したい。そうした意味で運動会のプログラム、二人三脚やムカデ競争、又お昼のご馳走一皿を持ち寄り、参加者が一緒に食べる習慣、行事の準備や終了後の片づけ等、すべてが社会人としての有効な修行になると思われます。
 これは日系人だけに限らず一般ブラジル人でも喜んでおり、初参加者も喜々として手伝ってる様子は、我々のより良い生活習慣を一般の人達に理解されるのに大いに有益だと思います。
 この運動会ですが、経費面で豪華な賞品は必要ないと思います。参加者は健康の証。自己の体力を試すのが目的なので、商品は鉛筆かボールペンで十分でしょう。しがって経費が小額で出来れば、いつでもどこでも安易に開催出来ます。日系団体の主催者には、若者が良く集まる運動会開催の活性化を実施される事を切望いたします。

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