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太平洋同盟へ秋波を送るパラグァイ=坂本邦雄

 今月の2~3日にペルーのパラカス市で開催された第10回太平洋同盟首脳会議に、オブザーバー国のパラグァイを代表して出席したリゴベルト・ガウト外務経済次官補は、会議の席上、南米南部共同市場・メルコスールの太平洋同盟(ALIANZA DEL PACIFICO)へのより緊密な接近を提唱した。
 2012年6月にチリ、コロンビア、メキシコ、ペルーを創始国として結成された太平洋同盟は地域で最も開放された経済政策を追求する国々のブロックであり、片や保護貿易主義が特徴のメルコスールとは自ずと際立った差違が目立って来ている。
 ちなみにパラグァイは2013年6月に不法にメルコスール設立会員国の資格停止を、〃ルーゴ追出し国会クーデター〃の廉で科せられたが、現カルテス政権になって元の正会員国に復帰した。
 なお、パラグァイは来る16日?17日にブラジリアで開催予定のメルコスール首脳会議に於いて3年振りに輪番議長国の席をブラジルから引継ぐ予定である。
 そして、パラグァイは議長国の資格に於いてメルコスールの太平洋同盟とのより良好な協調・交流の促進に尽力する方針であると、リゴベルト・ガウト外務次官補はその演説で述べた。
 同次官補は、パラグァイは地域諸国の中でも最も開放された経済政策を執っている一国であって、国政は統一的に持続性が保たれ、その効果は近年の好調な経済成長に反映されていると説明した。
 そして、我が国はメルコスール今期の事業目的に選ばれた技術の革新、教育の改善、貿易の円滑化、交易障害の排除や自由通行及び生産性向上による国際競争力の促進などの懸案事項に強い関心を寄せるものであるとした。
 太平洋同盟の注目すべき積極的な活動は多くの国々の関心を惹き、近く正加盟国になる予定のコスタリカとパナマの他に、パラグァイや日本を含む30ヵ国余りの国々が既にオブザーバー参加国として認められている。
 この太平洋同盟は世界で第8位の経済及び輸出規模を夫々構成するブロック勢力なのである。
 また、ラテンアメリカ及びカリブ海諸国地域で、太平洋同盟ブロックはGDP・国内総生産の37%、貿易総額の50%並びに直接の外資導入事業の45%を占めているとEFE電は報じている。
 今回の首脳会議で、メキシコのエンリケ・ペニャ・ニエト大統領はペルーのオリャンタ・ウマラ大統領に輪番議長国のバトンを渡した。太平洋同盟では、議長国輪番制は1年の任期である。
 新議長国ペルーのウマラ大統領は、教育問題、国際協力の改善や促進を以って太平洋同盟をして世界の「品質マーク」たる信用をより昂揚するのが我が挑戦の一つであると、第10回太平洋同盟パラカス首脳会議の閉会を宣するに際して述べた。
 例えば、留学生の交流、教育経験、留学制度の拡充、学位資格の相互認定などは其の一部に当り、その正しい実践に努める事が即ち全ラテンアメリカ諸国に於いて太平洋同盟の「品質マーク」の信用を確固たるものにし得るのであると云う構想である。
 一方、メルコスールの小会員国であるパラグァイとウルグァイは、此れまでに同僚会員のアルゼンチンとブラジルの両大国に「御機嫌次第」の扱いをされて何時も泣かされて来た事もあって、早くから太平洋同盟寄りで、ウルグァイはパラグァイよりも先にオブザーバー国になっている。
 なお、先にも触れた通り保護貿易主義のメルコスールはブロックとしてのEU・共同体との通商交渉も出来ずに色んな点で遅れをとっている。
 だからと云って、メルコスールを脱退したり潰すのは良作ではないのは、ウルグァイもパラグァイと同意見であり、先ずメルコスールを本来の正常な姿に戻し、体制の刷新を図るべしと、両国は異口同音に正論を主張するのである。
 依って、パラグァイは今度の南米南部共同市場のブラジリア首脳会議に於いて、輪番議長国に返り咲くのを機にメルコスールの体制改善に尽力し、懸案のEU・共同体との通商協定の実現方を進め、更に協調関係を深める為の太平洋同盟への接近を提唱するのである。

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